中古住宅・中古一戸建て/中古住宅の購入術

中古住宅の新しい買い方 一戸建てリノベーション物件(2ページ目)

「リノベーション物件」といえば、これまではマンションで多く販売されていましたが、今後は一戸建てのリノベーションが増えそうです。中古住宅を購入する際に、新しい選択肢ともなる、一戸建てのリノベーション物件の魅力についてまとめてみました。

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

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スケルトンに戻して建物の状況を確認するから安心できる


スケルトン

スケルトンの状態(写真提供(株)リビタ)。木造軸組工法は、柱や梁(はり)などの「軸」で建物を支える工法なので、内装や設備を取り外すと木組みの状態になる

建物の耐震性や耐久性は、基本構造がどうなっているかで決まります。一戸建ての場合、プロでない一般の購入者が、基本構造の状態を知るのは難しいでしょう。それが中古一戸建てを購入する際の不安材料にもなります。

同社のリノベーション物件の場合は、同社がスケルトンの状態に戻して、耐震性や耐久性などを調べたうえで、補強をするなどの対策を施して改修していきます。そのため、構造上の安全性について安心できるというのが、大きな魅力です。

実際に、リノベーションを終えた「練馬石神井台の家」を見学してみました。この物件では、柱や梁を追加し、窓はすべて省エネ性の高いサッシに交換するなど、構造安全性に加えて居住環境の性能も上げているそうです。さらには、2階には、従前にはなかったベランダが新たに設置されていました。

 

木造の良さを生かした自由度の高いデザインができる

リビングアフター

2階には新たにベランダを設置。窓も大きくして、明るく開放的なリビングに。床の一部をアクリル板にすることで、日差しが1階に流れ込む工夫も


土間アフター

1階には大きな土間を設け、柱や梁などの木材を生かした空間にデザインしている

木造軸組工法の良さとして、設計の自由度が高いことが挙げられます。スケルトンの状態から間取りや内装をデザインしていくので、石神井台の家のように、ベランダを追加したり、窓の大きさを変えたりといった間取りの変更もしやすくなります。

また、柱や梁となる木材本来の美しさも魅力となるので、懐かしさと暮らしやすさを共存させることも可能です。

同社の一戸建てのリノベーションでは、さらに木造の良さを生かして、入居者に手を入れる余地を残して提供しているといいます。鉄筋コンクリート造と違って、入居者が壁に釘を打つなどの加工がしやすいので、自分で好きな場所に棚を作ったり、カーテンで仕切ったりといった造り込みができるという点も、大きな魅力でしょう。

浴室洗面アフター

タイル張りの浴室を洗面室と一体の開放的な空間に変えている

築年の古い中古一戸建てを事業者が買い取った場合、一定の広さがあれば建物を取り壊して、半分に分けて小さな2軒新築一戸建てとして販売する可能性もあります。
リノベーション物件なら、一戸建てらしい土地や建物のゆとりを、手に入れやすい価格で、安心して買えるという点で、魅力的な選択肢になると思います。

■リノベーションに必要な知識やアイデア、イベント情報などを発信する、(株)リビタのウェブサイト「HOWS Renovation Lab.」
http://www.hows-renovation.com/

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