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REIT破綻から学ぶ 不動産投資の極意!3(4ページ目)

前回、前々回と、不動産投資を行う上で今回の「REIT破綻」から学ぶべきことを、1.マーケットの変化 と2.個々のREITの事情から見ていきました。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド

ポイントになる指標3「予想利回り」

最後に3つ目が「収益」の割合、具体的には「予想利回り(予定収益÷物件価格)」が高すぎる場合は要注意ということです。
一見すると利回りが高いほうが有利なように見えますが、それは違います。

投資の世界には「ハイリスクハイリターンの原則」「ローリスクローリターンの原則」と言うモノがあります。これはリスク=不確定要素を多く取るほど、リターン=収益も高くなるということで、つまり、利回りが低いほうが、健全であると判断され、人気が高いことを示しています。

要は、人気があるので価格が高くなる →だから、利回りが低くなる。人気がないので価格が安い →だから、利回りが高くなる。ということです。

REITの場合、30%を超える利回りを出していた経緯もあるので、「ハイリスクハイリターンである」と市場から判断されていたことになります。

個人の場合、不動産も玉石混淆です。人気がないのには訳があります。
その理由を理解でき、自分自身で納得でき、対応できると言うことであれば、その様な投資・・・投機に近いかもしれませんが、ありだとは思います。
ただ、健全な不動産投資を行うということであれば、?マークが付いていまいます。
しっかり準備を整え、万全の体制で臨むべきです。


最後に、専門家の間では、「今後はREITも個人も“資金調達力”が勝負になる」と言われています。

ここ数年の不動産投資は“利回り”を重視したモノが主流で、統計上、シミュレーション上からの有利不利で投資を行ってきたケースも多いと思います。

しかし、不動産市況の悪化からリーマンショックに至って、環境が“利回り”を重視から、個々の“信用力”を重視する傾向に移行しつつあります。
つまり、“どんな物件”を運用しているかだけではなく、“誰”が運用しているか?ということです。

今回のREIT破綻のケースは、資金繰りの悪化が、その第1原因なので、今後も同じような破綻が起きないとはいいきれません。
REIT業界の淘汰・再編が始まるきっかけとなるかもしれないですし、個々人の投資家もその状況から自分自身を見つめ直すいい機会にしていただきたいと思います。

REIT破綻から学ぶ 不動産投資の極意1

REIT破綻から学ぶ 不動産投資の極意!2
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