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REIT破綻から学ぶ 不動産投資の極意!2

前回はREITを取り巻く環境の変化から、今回の破綻劇の原因を探り、個人投資家が注意すべき点を見てきました。今回は、個々のREITから破綻の原因を探り、個人投資家が活かせる知恵を見つけていきたいと思います。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド


前回はREITを取り巻く環境の変化から、今回の破綻劇の原因を探り、個人投資家が注意すべき点を見てきました。
今回は、個々のREITから破綻の原因を探り、個人投資家が活かせる知恵を見つけていきたいと思います。

破綻した理由(2)個々のREITの問題

破綻した理由(2)個々のREITの問題
個々のREITの問題
前回はお伝えしたとおり、REITは、その仕組み上、あくまで投資を行うための導管~つまり、ペーパーカンパニーとしても役割を担うにすぎないので、普通の会社と違い、内部留保を持っていません。

そのために、融資を行う金融機関(銀行)サイドからすると、とてもいい財産(不動産)は持っているが、宵越しのお金を持っていないお客さまと取引しているに等しいのです。つまり、金融機関(銀行)から見た場合、REITは取引しづらい相手と言うことになります。

この点は個人の投資家も学ぶべきところで、同じような扱いを受けないために本業発展のために努めつつ、日頃から金融機関と仲良くしておく事が寛容と言うことでしょう。

話を戻しますが・・・ですから、REITの場合、実際に融資を実行している金融機関はさほど多くないと言われています。

では、どうして融資する金融機関がいるのでしょうか?

ここからは私自身の憶測も入りますが・・・みなさんもこういう場合、自分が金融機関(銀行)なら、どういう場合に貸さざるを得ないか? 考える習慣を付けて下さい。

表現方法に多少棘があるかもしれませんが、私ならこう考えます。
基本的に良い財産は持っているので、そこから得られると思う収益の範囲内で返済できる分のお金はお貸しします。ですから、持っている不動産の善し悪しで扱いは変えます。

ただ、1.出資していれば当然支えるし、2.(長期の)投資対象として考えていれば、サポートは惜みません、また、3.運営会社(母体)との関係があれば、無下にお断りする訳にはいかなくなります。


最後の砦は、やはり、保有している不動産?

根本的には、「どんな不動産で運用していて、どんな特徴を持っているか?」という投資物件や投資媒体の評価を行うことで、「どれくらい儲かっているか?」つまり、ある程度の収益構造が判断できるはずです。

例えば、レジデンス(居住用物件)であれば安定的だが大きな収益は期待できないとか、商業ビル系なら収益率は良いが、立地と景気に左右される傾向になる等です。

先にも書きましたが、基本的にはこの部分が評価を一番受ける点でしょう。

ですから、個人投資家としては、「投資した不動産にどんな優位性があるか?」わかることが大切だと言うことです。

復習ですが、今回のニューシティ・レジデンス投資法人のケースでは、
1. サブプライムローン問題で国内外の金融機関が不動産関連融資を絞ったため、今までできていた借入金の借り換えができなくなった
↓しかも、近々に
2. 新規の大型物件を購入することになっていたが、そのための融資もつかない。ただ、購入予定の物件をキャンセルすることも契約上多額の賠償金を払うことになり困難
↓では、増資は?
3. 株価に当たる投資口価格の下落もあり、難しい状況になってしまった
↓ということで
10月に期限を迎える借入金の返済が難しい。
↓だから
民事再生手続きをした
という流れだったようです。

つまり、金融機関に対して先程お伝えした1.2.3.の3つの要件を満たしていなかった(または、満たせなかった)ので、レッドカードを突き付けられてしまったということになります。


最後の砦は、出資元のチカラ?なのでしょうか・・>>
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