パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ダンディゾン【吉祥寺】

10年後にも変わらず訪れてもらえたら。そんな想いで「10年後」と名付けられた吉祥寺のDans Dix ans( ダンディゾン )はこの春、10周年を迎え、新たな10年後へ向けてスタートを切りました。行列のできるパン屋さん、ダンディゾンの今をお伝えします。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ダンディゾンの10周年

2013年4月、吉祥寺のDans Dix ans(ダンディゾン)が10周年を迎えました。ダンディゾンとは「10年後」という意味。 10年後という未来にさまざまな想いをこめて、名付けられました。
ダンディゾン店内

ダンディゾン店内

売り場と厨房がガラスの壁で仕切られている

売り場と厨房がガラスの壁で仕切られている

10年前、料理人がプロデュースするベーカリーとして始まったダンディゾン。この店には「毎日食べるパンだから」というキャッチコピーがあるのですが、初期のダンディゾンに対するわたしの個人的な印象は、「小さな料理を思わせる創作パンの店。毎日食べるパンを買いに行くというより、吉祥寺を訪れる友達を案内する場所」でした。
ショウケースにスタイリッシュなパンたち

ショウケースにスタイリッシュなパンたち

ダンディゾンの看板商品ともいえる、食パン

ダンディゾンの看板商品ともいえる、食パン

パンも独特な形をした小ぶりなものが多く、今も、そうしたパンはいくつもあります。店は吉祥寺のギャラリーの下にあるのです。ファッショナブルなパンはどうしても求められるのでしょう。たとえばギャラリーと同名の「フェブ」(60円)はオーブンでさやごと焼いたそら豆を一粒包んだ季節のパン。生地はベーグル。どうしたって食べてみたくなりますね。
フェブ

フェブ

でも最近、斬新なパンばかりでなくフランスの伝統的なパン・オ・ルヴァンがあり、ロデヴがある。ドイツのロッゲンミッシュブロートがある。大きめの、質実剛健な感じのパンが少しずつ、増えてきているのをご存じですか? 木村昌之さんと新たなチームワークで構成されたスタッフによってつくられるダンディゾンのパンは、新しい10年後へ向けて少しずつ進化しているのです。
パンオルヴァン

パンオルヴァン

ゾンネンブルーメ

ゾンネンブルーメ

「フランスやドイツの伝統的なパンを焼く人たちとの出会いもあり、自分のつくりたいパンに取り組んだ結果ですが、これから先、しっかりと地に足のついた発展のためには、まず伝統的な製法を理解し、おいしくつくれるようになる必要性を感じました。かつて、料理人と開発してきたパンは既存の製法をとらずにきたので、いま、あらためて伝統的な製法の本質が理解でき、その恩恵を受けていることを感じています。このことは本当に大切にしたいですね」
これもまた正統派のパンオショコラ

これもまた正統派のパンオショコラ

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