マナー溢れる会話をするには、実はいくつかのポイントがあります。
今回は、ビジネスシーンでも活用できる『CA式・マナー溢れる会話術』をお伝えしましょう。
特に接客業に就いてらっしゃる方は必読です!
ビジネスシーンにおいては『親しき仲にも礼儀あり』で、当たり前のようにお客様や上司、先輩などには、美しい日本語や敬語を用いてお話されているかと思います。
ご自分の気持ちを、上手に伝えることができるよう、常日頃から敬語を使った美しい話し方を心掛けましょう。
それでは具体的に、どのようにお話をすれば、相手に好感を持たれるのか? 相手に喜ばれるのか? ご説明いたします。
相手の心をくみましょう!
相手は何を言いたいのか? 話し上手は聞き上手!
日本語は婉曲話法を使うことが多く、言葉の裏にあるお客様の要望を、一つでも多くくみ取ることが大切です。
相手の反応を見ながら、相手の理解度に応じて!
いつでも、どこでも、誰にでも、同じ話し方では相手に方に失礼です。そしていつも同じように話している方は、人間味溢れる魅力も感じられないと思います。
たとえばお子様に、「お飲物は何になさいますか?」と聞いてしまったら、お子様はキョトン? とされるでしょう……。
「僕、何飲む?」「オレンジジュース?」と聞くのが、分かりやすく親切です。
身だしなみにTPOがあるように、話し方にもTPOがあるのです。
お断りの言葉は依頼形、質問形で!
話し方にもTPOがある!
例えば……
「煙草はここで喫わないでください」と、丁寧にお断りしても、お客様は怒ってしまいます。『○○しないでください』と、文章が命令形になっているからです。
では、このようにお話しするのはいかがでしょうか?
「恐れ入りますが、こちらでは、お煙草はお控えくださいますでしょうか?」
同じ内容を伝えるにしても、かなり柔らかい印象になります。
他にも、「お待ちください」ではなく、「こちらでお待ちいただけますか?」と、言いましょう。
「お待ちください」と言われると、「待ちたくない!」と言い返したくなるものです。
しかし、「こちらで2~3分お待ちいただけますか?」と言われたら、「はい、わかりました!」と、答える気になります。
お客様に、YES or NOのご意向を伺うのも、相手に対する『思いやり=マナー』です。決定権は、お客様にあるのです!
外来語、専門用語は避けましょう
皆様の職場にも、専門用語はありますよね? その業界の人達にとっては、毎日抵抗なく使っていると思いますが、他の業界の方や他の会社の方には、まったく意味のわからない、暗号のような言葉です。お客様に対しては、絶対に使わないように気をつけましょう。
例えば、私のCAの時代のお話ですが、今思うと、何を話していたんだか? 面白いなって思います。
当時は毎日、真剣に専門用語でお話ししていました。お客様が聞いたら、まるでチンプンカンプンの会話をCA同士でしていましたね。
「チビップ」=「ちびっこVIP」(1人旅のお子様)のこと。
「ラヴァ」=「lavatory」「ラヴァ、チェックしてきます!」と言うと、「機内の洗面所を清掃してきます!」と言う意味だったり……。
他にも面白いCA専門用語はたくさんありますが、基本的に英語を略したものが多いです。
また、航空会社でよく使う言葉に、「アナカン」=「unaccompanied baggage」、いわゆる別送品(別便で送る荷物)のことですが、「アナカンはありますか?」と、お客様に伺ってはいけないと言うことです。
皆様の業界も、専門用語はお客様に絶対に使わないように気をつけましょう。
動作と言葉は一体
動作と言葉は一体
例えば、敬語が完璧であったり、話し方もスムーズであっても、そこに「心」がこもっていなければ、冷たい、事務的、わざとらしい、など、「慇懃無礼」になってしまいます。どんな時でも、心身ともに健康な状態にし、いつでもお客様に温かい気持ちで接することができるようにすることは、社会人としてのマナーの基本です。
十分気をつけましょう!
それではここで、機内でCAが使う『接客用語15の基本』をご紹介いたします。
特に接客業の方は、朝礼や、ブリーフィング、そして1人の時でも、常に声に出して練習をしましょう。
ポイントは、笑顔! 大きな声! 滑舌!
お客様にお会いしている際に、自然に口に出るようにしてください。
接客用語15の基本
- いらっしゃいませ
- はい
- どうぞ
- はい、ただいま参ります
- 恐れ入りますが
- 失礼いたします
- お待たせいたしました
- 申し訳ございません
- かしこまりました
- お呼びでございますか
- 存じません。よく存じております
- お客さま、ご主人さま、奥さま、お連れの方、お子さま、わたくし、わたくしども
- わかりかねます
- ありがとうございます
- おかげさまで
『CA式・マナー溢れる会話術』は、いかがでしたか?
お客様やお相手のことを思えば、自然と丁寧にお話ししようと思うはずです。
あなたの素直な気持ちを、真剣に、そして謙虚に伝えてください。
そうすれば、必ずあなたの思いは通じます。