ゲーム業界ニュース/ゲームとビジネスニュース

Xbox Oneは日本で売れるか?(3ページ目)

ついに発表された次世代Xbox。その名も、Xbox One。ハードの性能が飛躍的に向上したことは言うまでもなく、一声かけるだけで起動して、「Watch TV」なんて言うだけで瞬時にテレビがうつり、映画でも音楽でも、あらゆるものが詰まったAll in Oneのハードになるそうです。しかし、これって、日本で盛り上がるんでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド


日本には日本向けのXbox Oneを

Halo

Xboxの代名詞、Haloシリーズですら、日本ではキラータイトルになり得ません。(イラスト 橋本モチチ)

日本では流行っていませんが、Kinectは素晴らしいシステムです。ゲームにあまり詳しく無い人なら、Kinectの前で少し動いてみただけで、ビックリすることでしょう。キャラクターが自分の分身のように動いてくれて、誰でも簡単に遊べます。ダンスゲームは、Kinectによって全く別の次元に進みました。1人プレイをしている時に、誰かが横に来るだけで2人プレイになる、こんな些細なことにも未来を感じてしまいます。

ただし、日本におけるXbox360では、Kinectを大プッシュし、Kinectを遊べるキャラバンカーまで用意して全国を回りましたが、ファミリーユーザーは捕まえることができず、むしろKinectをプッシュすることにリソースを割いた分、既存ユーザーへの盛り上がりが作りにくくなったという手痛い失敗もあります。Xboxというブランドはまったくファミリーユーザーに対する認知を獲得していないですし、既存ユーザーからKinectは求められていなかった、という状況は、現実として認識する必要があります。

この市場の状況は、Kinectが普及しないことを確認するまでもなく、多くのゲーム業界関係者が予想していたでしょうし、ゲームユーザーも予想していたでしょう。でも、Xbox 360は北米主導の戦略の中、Kinectをプッシュし続ける方針を取りました。日本でのXboxブランドが普及しない決定的な理由は、ハードやソフトの質の問題ではなく、北米主導の方針が日本の市場とマッチしていないことにあります。

Wiiが海外でヒットしたJUST DANCE Wiiというダンスゲームを日本でもヒットさせていますが、徹底的にローカライズを施し、AKB48やEXILE、モーニング娘。など、日本で人気のアーティストの楽曲を前面に押し出すことで成功しました。それぐらいのことをしなければ日本でヒットさせるのは難しい、ということかもしれません。

これはいわゆるゲーマー向けのタイトルに関しても同様のことが言えます。世界で売れているタイトルではなく、日本の市場で刺さるキラータイトルを用意しなければ、今のXbox 360の状態から言って、Xbox Oneが成功するのは相当に困難でしょう。

Xbox Oneの日本市場に関する大きな課題はローカライズです。それは、単に言語の翻訳という意味ではなく、日本という地域の特性に合わせた戦略、日本市場にあわせたコンテンツ、日本市場にあわせたサービスをどれだけ投入することができるかが、重要になりそうです。初代Xbox、Xbox360ときて、3度目の正直です。今度こそ、日本でも盛り上がって欲しいですね。

【関連記事】
ハンバーガーは売れ、360が売れない理由(AllAboutゲーム業界ニュース)
何故Xbox360は売れないのか?(AllAboutゲーム業界ニュース)
Xbox 360のソフトがすぐ品切れする理由(AllAboutゲーム業界ニュース)

【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)

【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で人気のゲームソフトを見るAmazon で人気のゲームソフトを見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます