マンションのモデルルームなどで、よく「天井高が2m50cmあります」などと説明されることがある。天井が高いと開放感があるのでアピールポイントになるのだ。だが、じつは天井高より重要なポイントがある。それが階高だ。
階高とは、下の階の床面から上の階の床面までの高さのこと。配管類の点検や修理をしやすくするために二重床・二重天井にするには、一定の階高を確保する必要がある。標準的なマンションでは、スラブの厚さが20cmとして、二重床の高さが12cm程度、二重天井の高さが8cm程度で合計40cmほど必要となる。天井高が2m50cmとすると、「2m50cm+40cm」で2m90cm必要ということになる。
実際には少し余裕を見て、階高3mがひとつの目安となるだろう。ただし、超高層マンションの場合は建物を支える梁のサイズが大きくなり、天井高が2m50cmでも圧迫感が出てしまうことが多いので、階高は3m20cm程度あることが望まれる。
なかにはコストダウンのために床や天井をコンクリートのスラブに直貼りしているマンションも見受けられる。この場合、スラブの厚さが20cmで天井高が2m50cmなら、階高は「2m50cm+20cm」で2m70cmあればよいことになる。階高が低ければ同じ高さのマンションでも階数を増やして販売する住戸も増やせるので、売る側には都合がよいのだ。
ちなみに天井高の望ましいサイズは、リビングで最低2m40cm。広さが10畳以上なら2m45cm以上はほしい。20畳以上なら2m50cm以上ないと狭く感じてしまう。逆にキッチンやトイレなど狭い空間では天井高を2m10cm~2m30cmにしないと余計に狭く感じる。また、寝室は天井が高すぎるとくつろげないので、2m40cmあれば十分だ。
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