5月14日、J-REITが急落したのは、金利上昇が背景にある

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金利上昇と需給環境の悪化が原因か

株式市場において、5月になってからも株高が続いているのとは裏腹に、J-REIT指数はさえない状況が続いています。

特に5月14日には、東証J-REIT指数は約3%も急落、前日比-42.99の1383.64ポイントで取引を終了しました。これは、足元で日本の金利上昇が進んだことが背景にあるといえます。

REITの主なリスクの1つに、金利変動リスクがあります。REITは、一般的に金利が上昇すると価格が下落するといえます。これは、REITが物件を取得する際には増資か銀行借り入れで行う必要があり、特に銀行借り入れ比率が高い場合、金利の上昇は返済額が大きく増加する可能性がでてくるため、その点を嫌気してJ-REITは売られることにつながる、と捉えることができるためです。

それでは5月14日は何が起きていたのでしょうか。実は、長期金利の指標として利用される新発10年物国債の利回りが0.855%と約9カ月ぶりの水準に上昇しました。この背景には、株高があります。株高が続くことで、投資家の目線は株式市場に自然と関心が集まることになります。

つまり、保有する債券売り、株式買い、つまり債券から株式へ資金がシフトすることで、債券価格は低下、金利は上昇へとつながり、結果的にJ-REITにもその影響は波及し、東証J-REIT指数は急落したといえるのです。

金融緩和は本来であれば金利低下という効果をもたらすといえます。つまり、J-REITにとっては魅力的な側面が本来は増えるはず。残念ながら足元では投資家の国債買い控えや債券から株式へ資金シフトした結果、金利が上昇するという皮肉な結果となっており、これがJ-REITにおいても価格が上がるどころか下げに転じる要因となってしまいました。

6月には大型上場が控えている点も重石に

これ以外にもゴールデンウィーク明けからかんばしくない状況が続いている理由があります。それは、5月9日に発表されたREITの大型上場案件による需給悪化懸念です。

5月9日、野村不動産マスターファンド投資法人が6月12日に上場すると発表されました。野村不動産がスポンサーとなる上場REITはこれで3つ目。上場時の施設(物流、商業施設)の取得額は2276億円となる模様であり、調達金額は1750億円が見込まれています。

取得額からいえることは、これまでの上場REITと比較しても規模は大きめの部類に入ると言ってよく、この点で上場による投資口の需給悪化懸念が心配されています。J-REIT全体における重石の材料とつながっていると捉えられている点が、5月のさえない状況の1つの要因を生み出しているといってよいでしょう。

こうした主に2つの要因が、現在のJ-REIT価格の下落要因につながっているといえます。金融緩和が金利低下につながるのか、はたまた金利上昇となるのか、今後の金利動向と6月の上場の結果どうなるか、J-REITの動向をみるうえで目が離せませんね。

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