米ドル投資を始めるときには、まずは米国雇用統計に注目

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米国雇用統計はドル円を動かす

外貨投資を始める際に、ドル円を動かす経済指標という観点で、まず注目していただきたいのは、「米国雇用統計」です。雇用統計の中でも、非農業部門雇用者数と失業率が特に注目されています。

非農業部門雇用者数とは、米国の非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された、毎月増加(もしくは減少)する就業者数になります。非農業部門雇用者数の1つの目安は毎月15万人以上増加しているかどうか、またエコノミストが予想する数値よりも結果が良いかどうかがポイントといえます。

一方、失業率とは、米国の労働力人口に対する失業者の割合を示すものになります。失業率は当然のことながら低下するほどよいといえ、現在の米国のゼロ金利政策は、失業率が6.5%に低下するまで継続される見込みとなっています。

2013年5月3日に発表された4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+16.5万人、失業率は7.5%と前月から0.1ポイント低下し、2008年12月に次ぐ低い水準となっています。これは、エコノミスト予想を上回る好結果であり、米国経済が回復する傾向にあることを示しているともいえ、ドルが買われ円が売られることにつながりました。指標発表後はドル高円安が進み、1ドル99円台に再び突入することとなりました(現在は1ドル100円台を突破しています)。

雇用統計結果が良ければ、指標発表後にドル円で50銭~1円程度円安になることはよくあります(悪ければ円高に振れる)ので、FXなど短期勝負の方は指標発表だけに主眼を置く方法で利益を獲得するのも手だとは思います。

外貨預金での投資においては、この結果を長期間で見てよい方向にトレンドが進んでいるのか、確認してください。結果が毎月良ければ、ドル高円安へ動く作用が長期的に見ても確認できるといえるためです。

米国雇用統計は、毎月第1金曜日(夏時間では日本時間で午後9時半、冬時間では日本時間で午後10時半)に発表されます。なお、米国雇用統計の前哨戦としてADP雇用統計という指標もあります。ADP雇用統計結果を見ることで、その後発表される米国雇用統計の方向性を掴めることができるため、この指標の結果も見ておきたいところです(ただし、必ずしもADP雇用統計が米国雇用統計と同じトレンドになるとまでは断定できないため、目安として見てください。)

<米国雇用統計結果>
雇用統計結果

米国雇用統計(単位:万人)


新規失業保険申請件数、ISM非製造業景況指数にも注目!

米国雇用統計の他、米国の指標として「新規失業保険申請件数」、「ISM非製造業景況指数」にも注目してみましょう。

新規失業保険申請件数とは、失業した者が失業保険給付を初めて申請した件数を集計したものであり、景気の先行きを占う景気先行指数としても採用されています。申請件数が減少した方がよいといえ、毎週木曜日(夏時間では日本時間で午後9時半、冬時間では日本時間で午後10時半)に発表されます。

2013年4月の第2週は35.2万件、第4週は32.4万件と新規で失業保険を申請する件数が直近では減少傾向にあります。予想よりも申請件数が減少していれば、ドル高円安が進むといってよいでしょう。

一方、ISM非製造業景況指数とは、ISM(供給管理公社)が発表する非製造業における景気先行指標であり、50%を上回っているかが景気動向を占ううえでのカギとなっています。2010年以降、50を上回る状況が続いており、サービス業の比重が増している米国においては、この指数の重要度はますます高くなってきているといってよいでしょう。

この指標は、毎月第3営業日に発表(夏時間では日本時間で午後11時、冬時間では日本時間で午前0時)され、毎月の中で最も早く発表される指標といえます。予想数値を上回り、2013年2月につけた56.0といった高い値が発表されれば、ドル高円安に振れる可能性があるといってよいでしょう。

<ISM非製造業景況指数結果>
非製造業景況指数結果

ISM非製造業景況指数


こうした統計数字は、FX会社や証券会社の取引画面やホームページにおける「マーケット情報」に掲載されます。また、新聞などでも発表されているケースは多いため、是非確認してみてくださいね。