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竹のあかり 近藤昭作展-60年のあゆみ

近代照明史、工芸史に残る著名な作家、「竹のあかり」の近藤昭作の個展が5月17日(金)から6月2日(日)にかけて杉並の蔵のギャラリー「蒼」にて、開催されます。竹の網目から漏れる光と影が美しい作品が一堂に展示されますので、ぜひお出かけ下さい。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

日本を代表する和の灯り

四つ目もち形ペンダント

写真1.四つ目もち形ペンダント(ホワイトボール電球使用)

西荻窪 ギャラリー「蒼」』でも予告しましたが、近代照明史、工芸史に残る著名な作家、「竹のあかり」の近藤昭作の個展が2013年5月17日(金)から6月2日(日)にかけて杉並の蔵のギャラリー「蒼」にて、開催されます。

近藤氏は戦後間もなく、「竹のあかり」の制作に着手します。「竹のあかり」の竹は農具の竹かごなどを作る繊維の粗いものではなく、繊維の細かい九州の真竹を使っています。品質が良く太い真竹は温かい九州に産すると近藤氏は言います。これを細かく裂いて編むことで、軽くて弾力性に富み、強靭な性質を持ち、磨くと控えめな光沢を発する特徴を持ちます。
透過・反射の光が美しい

写真2.透過・反射の光が美しい


近藤氏は1959年に初めて「竹のあかり展」を渋谷で開催しています。その数年後の1961年に当時ヤマギワ株式会社(現社名:株式会社YAMAGIWA,以降ヤマギワ)社長の小長谷兵五氏が、西荻窪にある洋食レストランこけし屋で「竹のあかり」を目にしたことがきっかけとなって、「和風シリーズ JAPANESE TYPE SERIES」としてヤマギワから商品化されます。

しかし、デザインから製作には一切、ヤマギワは関わることがなかったそうです。近藤氏は後に「専属だったが非常に良い関係であった。」と言っています。販売が開始されてから、「竹のあかり」は世に広まり、経済復興と成長に伴い一世を風靡します。

1960年代初頭とは、日本の住宅照明は白熱灯からランプ効率に優れ、寿命の長い蛍光灯に移り変わろうとしている頃で、その後の蛍光灯の普及速度は世界も目を見張るほどの勢いでした。そのような中でも近藤氏の「竹のあかり」は白熱灯の光に拘りつづけていました。

「竹のあかり」は故イサム・ノグチ氏の「Akari」とともに日本を代表する和風の照明器具作品として、東京国立美術館をはじめ各美術館に出展されたほどの名作です。

次の頁では、「竹素材の美しさが活きる灯り」についてご紹介しています。

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