人の役に立っている「おばけ」がいる?
そんなおばけが、さて、本当にいるのでしょうか? ええ、いますとも! おばけのジョージーです。ジョージーは、ニューイングランドの小さな村にあるホイッティカー家の屋根裏に住んでいます。そして、どういう訳か、おばけのくせにちょっぴり弱虫なのです。そんなジョージーに、ある日困ったことが起こりました。 いったい、何があったのでしょう?おばけにふさわしい家を求めて引越しだ!
こんなに可愛いおばけなら、我が家に住んでもかまわないかな!?
ところがある日、ホイッティカーさんが、ふと思いついて、階段を修理しドアの蝶番に油を差してしまいました。それで、ジョージーはもう音を出すことができなくなってしまったのです。ホイッティカーさんも猫もフクロウも時間がわからず大弱りです。もちろんジョージーも、おばけらしい仕事ができないので落ち込んでしまいます。そこでジョージーは、もっとおばけにふさわしい家に引っ越すことにしました。
「おばけにふさわしい家」はなかなか見つからないようですが……
例えば、以前おはなし会でこの作品を読んだとき、小さな女の子に「ホイッティカーさんの家のストーブはどこにあるの?」と尋ねられたことがあります。グロームズさんの家は寒々としているけれど、ホイッティカーさんの家はとても暖かそうだから、ストーブがあるに違いないという訳です。ジョージーにとってホイッティカー家が、どれほど温かく居心地の良い家だったかを、文章でなく絵から読みとっているのですね。日常の生活体験が豊かであればあるほど、子どもたちは絵本の中から様々な物語を感じとっていくようです。
さて、ジョージーは「おばけにとって最適な家」を見つけることができたのでしょうか? 答えは、もちろんイエスです。とっても意外な理由と意外な方法で見つかったジョージーの家を、皆さんもきっと気に入ってくださると思います。
【書籍データ】
ロバート・ブライト:作/絵 光吉夏弥:訳
価格:1155円
発売日:1978/6/20
出版社:福音館書店
推奨年齢:4歳くらいから
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