古来からの薬用植物、セージ
以前、ガイド記事でご紹介した「レモンバーム」は「長寿のハーブ」と呼ばれていましたが、今回取り上げたセージは、遡ることなんと古代ギリシャ時代から薬用に使われていたといわれる「不老長寿」のハーブです!セージというと、かの有名な「スカボロー・フェア」の歌詞で、呪文のように「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」と繰り返されているのが印象に残っている方も多いと思います。この他にも、「庭にセージのある家には病人が出ない」ですとか、「長生きしたいものは、5月にセージを食べよ」といった言い伝えもあるほどです。
学名の「Salvia」も、その由来は「救う」という意味のラテン語「Salvere」からとされ、また「officinalis」の方は「薬用」という意味があり、このセージの持つ薬効が名前からも推察されますね。
《 セージ 》
- 学 名 : Salvia officinalis
- 別 名 : ヤクヨウサルビア、コモンセージ、ガーデンセージ
- 原産地 : 地中海地方など
- 科 名 : シソ科
- 属 名 : サルビア(アキギリ)属
- 性 状 : 多年草~低木
- 開花期 : 5月~7月
- 花言葉 : 幸福な家庭
セージの種類と仲間
ハーブのセージは、一般的にコモンセージ(Salvia officinalis)を指します。この園芸品種として、- 明るい葉色がきれいなゴールデンセージ(*cv. Icterina)
- 緑の葉に白と赤紫の斑が入るトリカラーセージ(cv. Tricolor)
- 赤紫の葉を持つパープルセージ(cv. Purpuracens)
- 強い芳香を持ち、精油が採れるクラリーセージ(別名・オニサルビア、S. sclarea)
- 料理の香りづけやポプリに使えるパイナップルセージ(S. elegans)
- 料理やティーに使えるスパニッシュセージ(ホソバサルビア、S. lavandulaefolia)
- コモンセージに似たグリークセージ(S. fruticosa)
ハーブ以外でもセージの名がつくものはたくさんあり、チェリーセージ(S. microphylla)、ペインテッドセージ(サルビア・ホルミナムS. virdis)、ボッグセージ(S. uligionsa)、メキシカンブッシュセージ(S. leucantha)、メドーセージ(S. pratensis、サルビア・ガラニチカ S. guaranitica もメドーセージの名で流通している)、ローズリーフセージ(S. involcurata)などが市場に出回っています。
この中で無農薬で育てたチェリーセージの花は、エディブルフラワーとしてサラダに散らすといった使い方があるようですが、一般的に売られているのはセージの名がついていても観賞用です。また、メキシコや南米などが原産のものは寒さに弱いです。