マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

誰も教えてくれない間取りの見方8. 部屋の配置(1)

部屋の配置によって、住みやすさは天と地ほど変わります。マンションの部屋の配置は、これまでの顧客の反応や、空間の有効活用、コストなどの兼ね合いで考案されていますが、実際の暮らし方に照らし合わせてみると、もっとこうすればより暮らしやすくなるのに、と思わずにはいられない点もけっこうあるものです。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

一般的な3LDKの間取りでは、今の暮らしははみ出してしまう

これまでのマンションの間取りは、子育て中の専業主婦のいる4人家族を標準的な家族とみなし、公団の“2DK”を下敷きにして、それよりはもう少しゆとりある暮らしをめざそう、ということで3LDKへと進化?してきたものです。

しかし、今や日本の標準家族は一人家族。子どもがいない家庭も増えています。夫婦共働きにより専業主婦も減少しました。長寿化により60、70代で再びマイホーム選びをする世帯も少なくありません。大きく変化した現在の家族と暮らしは、旧来型の3LDKという器から、既にはみ出してしまっている、というのが実態ではないでしょうか。

今回ご紹介する部屋の配置は、私がいくつかの不動産会社へ提案した、私が考える今日的暮らしに基づくものが中心となっています。したがって、偏見はないつもりですが、独断と感じられるところがあれば、ご容赦いただきたいと思います。私の提案に似ている部屋の配置をしているマンションをたまに見かけますが、普及するには至っておらず、日頃から残念に思っています。

今回の「部屋の配置」についての記事を読んでいただくことで、既成概念にとらわれることなく、自分の暮らしに合った部屋の配置を具体的にイメージしていただけるようになれば、私の独断も捨てたものではない、ということになるのですが。まずは、自宅で一番長い時間使う部屋である寝室を中心に、暮らしやすい部屋の位置を考えてみましょう。


主寝室と洗面室・浴室は隣接していたほうがいい……次のページ

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