自賠責保険が使えるのは対人の事故のみ!
しかも自分のケガには使えない
「保険」だからと全てカバーされていると思うのは誤りです。自賠責保険は契約者がケガをさせてしまった人にだけ使えます
「じゃあ自分がバイクに乗っていて単独事故を起こしてケガをした時に使える?」 いいえ。あくまで契約者以外の被害者にのみ支払われる保険となります。最近の事故では、死亡時や後遺障害時の賠償金が1億円を超えるケースも珍しくありません。しかし、自賠責保険で支払われる保険金額には限りがあります。
■傷害(ケガ)
最高120万円まで
■後遺障害
第14級75万円まで~第1級3000万円まで
(常時介護時は4000万円まで)
■死亡
最高3000万円まで
モノに対しては払われない、しかも対人賠償も金額が限られている……。自賠責保険だけでバイクを運転するのはかなり不安な状況です。
人やモノ、自分のケガ……
補償されるもの、されないものを知りたい
それでは自賠責保険と任意保険で補償されるもの、補償されないものを具体的に見ていきましょう。保険項目の前に主なイメージを一言加えてあります。■人への補償=「対人賠償保険」
自賠責保険 ○(保険金には限度があり)
任意保険 ○(無制限)
■他人の車や家などモノへの補償=「対物賠償」
自賠責保険 ×
任意保険 ○(保険金は任意で設定可能)
■搭乗している人への補償=「搭乗者傷害」
自賠責保険 ×
任意保険 ○(同乗者は2人乗り可のバイクのみ)
■もしも当て逃げされたら=「無保険車傷害保険」
自賠責保険 ×
任意保険 ○(当て逃げで大けが、相手が保険に入っていない場合に使える)
■単独で事故を起こして大けが=「自損事故保険」
自賠責保険 ×
任意保険 ○(入院、通院のほか死亡保険金も)
■過失を問わずにすぐに補償=「人身傷害補償保険」
自賠責保険 ×
任意保険 ○(過失割合などの示談交渉を待たずにすぐに保険金を受け取れる)
自賠責保険はせっかくの保険なのですが、バイクに乗るなら必須とも言える上記の補償がほとんどついてきません。非常に残念です。
身体むき出しのバイカー
大けがを負うリスクは高い
どのようなケースであってもできれば事故は回避したいもの。ましてやバイクは自動車と違い、基本的に体を守ってくれる車体は存在しません。対人賠償もさることながら、自分(同乗者)が大けがしてしまった時、どこからもお金が出なければ治療費や生活費などで困ることになってしまいます。そのための「搭乗者傷害保険」「無保険車傷害保険」「自損事故保険」「人身傷害補償保険」tであると考えておいてよさそうです。
加入の方法や車両の盗難保険などは次の機会に解説しますが、まずは「自賠責保険+任意保険」が安心してバイクに乗るための基本といえます。
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