住宅ローンの残高が多く、家計が債務超過の状態に。問題ある?

住宅ローンのご相談をお受けしていると、とてもよく勉強していらっしゃる方は多く、次のようなご相談をいただくことがあります。

「我が家の貸借対照表を作ってみたところ、住宅ローンの残高が多く、それに比べて、住宅の資産価値が低いため、家計は債務超過状態です。これは大問題ですよね。住宅を購入したことは間違いだったのでしょうか?」
 
住宅を購入した事は間違いだったの

住宅を購入した事は間違いだったのか


住宅購入後に住宅ローンや家計を見直してみることはとても大事です。でも、判断基準を過ってはいけません。債務超過は確かに問題です。でも、法人企業(会計)と個人家庭(家計)とでは、意味合いがまったく異なるのです。
 

企業にとっての債務超過は、倒産にもつながる大問題

法人企業、特に中小企業の多くは資本金が小さいこともあり、金融機関から融資を受けています。その融資も住宅ローンとは異なり、借り入れ期間が2年や3年といった短期のものが多く、借り入れ期間中は利息の支払いのみ。返済期日に借入元金を一括返済という契約も普通にあります。

仮に借り入れ期間が3年の融資を3本受けている企業があるとしましょう。この企業は毎年、返済期日が訪れることになります。

この企業がとっても儲かっていれば、銀行に全額返済をしても全く問題ないのですが、そのような企業は少ないのが現実です。すると、企業は今年、一旦返済するものの、もう一度、改めて融資を依頼します。

その時に、その企業の貸借対照表が債務超過だと、融資をしてくれない可能性が高いのです。銀行からの融資が受けられなければ、その企業は資金繰りに行き詰まって倒産するかも知れません。法人企業にとって「債務超過」はとても大きな問題です。
 

家計にとっての債務超過は、見なかったことにできる?!

債務超過であることの最大の問題は、金融機関から融資を受けられなくなることです。

個人が金融機関から融資を受ける多くのケースは、住宅ローンですね。その住宅ローンの借り入れ期間は、長期でしょうか? 短期でしょうか?法人企業のように2年や3年で融資を申し込む人はいません。少なくとも15年以上の長期融資のはずです。住宅購入の2年後や3年後といった、近い将来に、改めて融資を受けることを想定している人はいないハズです。

もし、あなたが、購入したばかりの“住宅を売らなければならない状況”であれば、債務超過は多少問題ですが、住宅の売却などまったく考えていないのであれば、目先の債務超過は目を閉じて見なかったことにしても、問題ないのです。
 

個人家計にとって大切な視点は「将来キャッシュフロー」

個人家計にとって、重要なことは、現時点での資産と負債の財務バランスではなく、これから先の「将来キャッシュフロー」なのです。今後の返済は無理なくできそうか、という視点で、家計を再度チェックしてみましょう。
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