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変動金利ローンに忍び寄る未払い利息の恐怖

変動金利型のローンは、適用金利が上昇すると返済負担が重くなるだけでなく、未払い利息の発生の可能性が高まるという危険性があります。未払い利息とは何か。未払い利息発生の分岐点の計算方法も解説します。

執筆者:菱田 雅生

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未払い利息でローンが減らなくなる?

変動金利型ローンを利用するなら、未払い利息はきちんと理解しておくべき
これから住宅を取得しようと計画されている人は、住宅ローンを組む際、当分の間は変動金利型の利用は避けましょう。いままさに金利が上がっていこうかというときなので、適用金利が半年ごとに見直される変動金利型の住宅ローンを利用すると、返済負担がそれだけ重くなってしまいます。

そして、もっと怖い事態に陥る可能性もあります。
それが、未払い利息の発生です。

未払い利息とは、変動金利型ローンの金利見直しが半年ごとで、返済額の見直しが5年ごとという見直し時期のギャップがあることによって生じるものです。半年ごとの金利見直しで適用金利が上がっても、返済額は5年間一定なので、本来支払わなければならない利息が返済額を上回ってしまうことがあります。この返済額を上回った利息部分が未払い利息となるのです。

未払い利息に対する利息は計算されないのが通常ですが、一度未払い利息が発生すると、ローンの残高はまったく減らなくなるので、金利が下がるか、返済額が増えない限り、未払い利息の発生は止まりません。また、5年ごとに見直される返済額は、直前の返済額の1.25倍が限度になっているのが通常なので、金利が上がり続けると未払い利息も発生し続ける可能性があります。

【未払い利息発生の例】


未払い利息発生の金利水準を計算

現在変動金利型のローンを返済中の人は、いますぐに未払い利息が発生する金利水準を計算してみてください。
計算方法は、

未払い分岐点(%)=毎月返済額÷現在のローン残高×12ヵ月×100

です。
たとえば、上記の表のケースで25回目の返済から未払い利息が発生するかどうかの分岐点は、

97,465円÷28,763,761円×12ヵ月×100=4.066%

となります。

ただし、ここで計算した金利にはまだ程遠いからといって、安心してもいられません。適用金利が上昇すると、未払い利息は発生していなくても、返済額に占める利息の割合が増えるわけですから、ローンの元金の返済に回される金額が少なくなります。そうなると、ローンの減り方が遅くなりますので、利息の負担が重くなるうえ、5年ごとの返済額の見直しのときには確実に返済額が増えてしまいます。

やはり、変動金利型のローンは一刻も早く長期固定タイプのローンへ切り替えたほうがよいでしょう。なお、どうしても変動金利型ローンで返済を続けなければならない場合は、繰り上げ返済や、返済期間の短縮などを行って、返済額を増やしておけば多少は危険性が低くなりますので、そのような見直しを実行してください。


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