カラオケ/カラオケ上達方法

「今」からできるおススメカラオケ学習法

「いつやるか?」「今でしょ!」のフレーズが流行していますが、まさに今すぐできる、ちょっとしたカラオケ学習法を紹介します。学習と言っても難しいものではありませんので、あなたもぜひ「今」、試してみてください。

唯野 奈津実

執筆者:唯野 奈津実

カラオケガイド

歌唱の着実な上達を目指すには、根気強いトレーニングが必要ですが、趣味でカラオケを楽しんでいる方々にとっては、ボイストレーニングにかける時間もさほどないはず。そこで、簡単にできてちょっとした「気付き」も得られる身近な「カラオケ学習法」をお話しします。

自分で学習~歌唱を録音して聴き返す

自分の歌唱を自分自身で振り返ることが、「気付き」の第一歩。自分のクセや欠点を知り、どこをどう改善すれば良いかを知ることで、練習の道筋が見えてくるものです。そのためにもぜひ、あなた自身のカラオケを録音して聴き返してみてください。

唯野愛用のICレコーダー「SONY ICD-UX513F」

唯野愛用のICレコーダー「SONY ICD-UX513F」

録音にはICレコーダーが便利です。カラオケボックスに持参し、自分の歌唱をどんどん録音してください。ICレコーダーの利点は、携帯性に優れているところ。たとえば通勤中の電車の中などでも、ICレコーダーを聴くことができますよね。こうしたスキマ時間を使って自分の歌唱を聴き返しながら、反省をしたり課題を見つけたりするのも良いかと思います。

また、最近のカラオケでは、JOYSOUNDの「分析採点3」のプレイバック機能、DAMの「DAM★とも」の録音機能など、録音機能がコンテンツとして備わっています。録音機能を使うことで、一曲歌い終わった直後に、自分の歌唱をその場で聴き返すことができます。

唯野も一人カラオケの時によく、同じ曲ばかりを録音しては聴き直し、録音しては聴き直し、といった反復練習をしています。このとき、練習はワンコーラス(1番のみ)のみに絞るのがポイント。時間の節約にもなりますし、ワンコーラス目を十分にマスターしておけば、ツーコーラス目以降の練習がぐっとラクになります。

ワンコーラスの曲長をおおよそ2分とすると、機械操作の時間も考慮して、録音・聴き直しのワンセットはおおよそ5分。計算上では、1時間の一人カラオケで12回、2時間の一人カラオケで24回歌うことができます。一つの曲を、毎回課題を持って24回も歌えば、自分の欠点やクセも見えてきますし、気付いた改善点も反復練習で十分に身についてくるはず。ワンコーラス反復練習、ぜひ試してみてください。

歌手から学習~「ブレスポイント」を真似る

ブレスには、息継ぎという本来の役割もあれば、歌の途中にあえて切れ目を入れることで前後のフレーズを際立たせるといった役割もあります。そういう意味でも、ブレスポイントは歌唱表現の要のひとつ。あなたの練習曲にも効果的にブレスを入れてみましょう。それには、実際にその曲を歌っているアーティストのブレスポイントを真似るのがベストです。

もっとも、耳だけでブレスポイントを見極めるのはなかなか難しいもの。そんな時は、ライブ映像、あるいは音楽番組の映像を利用してみてください。映像の中で、アーティストの口元に注目すれば、ブレスの位置が比較的わかりやすいかと思います。

歌唱映像をコマ送り(もしくは一時停止と巻き戻しの繰り返し)で見ながら、アーティストのブレスポイントをチェックします。その際、あらかじめ歌詞を印刷しておいて、ブレス部分に印をつけることをおススメします。すると、あなた手作りのブレス表が完成しますよ。

では、ブレス表を参考にしながら、実際のアーティストと同じブレス位置で歌ってみてください。最初は歌いやすい・歌いにくいはあると思いますが、アーティストのブレス位置を真似て歌うことで、ブレス前のフレーズの切り方や息遣いを学ぶことができます。プロのアーティストのブレス術を、あなたの歌唱に取り入れてみてくださいね。

友人から学習~自分の得意曲を友人に歌ってもらう

十分に練習し尽くしたと言い切れる曲でも、自分では気づけない改善点はまだまだ潜んでいるもの。そんな時は、自分の歌唱を相対化することが大事です。そのための方法として、あなたの得意曲をあえて友人など別の誰かに歌ってもらうことをおススメします。

……とは言え、そこはあなたの十八番。友人の歌唱を聴いて、「その歌い方は違うよ!」と違和感を覚えることもあるでしょう。しかしながら、ここでちょっと冷静に考えてもらいたいのです。はたして本当に、あなたの歌い方のほうが「正しい」と言い切れるのでしょうか?

十分に練習をしてきた曲というのは、十分であればあるほど、「こう歌うべき」といった固定観念に囚われがちになります。そんな時こそ、第三者の歌唱を聴いて、「こういう歌い方もあるのか……」と、客観的に捉えることが大事なのです。たとえば、フレーズの譜割りや節回しがあなたと違っていたならば、それはあなたの固定観念を超えた歌い方だったのかもしれません。それが「気付き」であり、あなたの歌唱テクニックの幅を広げる「学習」にも繋がるのです。

同様の例ですが、プロ歌手の「カバーソング」を原曲と聴き比べるのも、良い勉強になります。ここ最近、過去のヒット曲をカバーするアーティストが増えていますが、そのほとんどが原曲とは違った歌い回しをしています。つまり、同じ楽曲であっても、歌い方は人によってさまざまであるということ。ぜひとも、いろいろな歌い方を聴いて知って、歌唱表現の幅を広げていってください。

伴奏から学習~ガイドメロディで音感を掴む

カラオケの伴奏には、ガイドメロディと呼ばれる、歌詞の音階に合わせて鳴らされる電子音が入っています。このガイドメロディを上手に利用すれば、練習曲のメロディをいち早く覚えることができます。やり方は簡単。カラオケルームで練習したい曲を流します。そして、カラオケを歌わずに、伴奏のガイドメロディを集中して聴くのです。

ガイドメロディを聴く

ガイドメロディを聴く

実は、CDなどの歌唱を聴くよりも、こうしたガイドメロディを聴く方が、音階の流れをより理解しやすいのです。人の歌声には、声の抑揚や歌詞の発音・歌い手のクセといった、音階以外の要素も含まれています。そのため、音感に自信のない方の場合、それらに惑わされてしまうことが多いもの。しかし、ガイドメロディのような電子音であれば、単一な音色であるため、音階の違いのみが際立ち、その分、メロディをスムーズに理解しやすいというわけです。

ところで、カラオケの伴奏を製作しているのは、レコード会社ではなく個々のカラオケメーカー。基本、モト歌に忠実に製作されていますが、稀にガイドメロディの譜割りが微妙に異なる場合もあります。そういう意味では、音感に十分自信のある方の場合は、アーティストの歌唱音源をそのまま参考にするほうが早いかもしれません。音感に自信があるかないかで、自分にあった学習の「お手本」をチョイスしてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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