今の子どもたちは、毎日宿題で練習問題に取り組んでいるので、パターンにはまった計算はなんなくこなす子が増えています。ゆとり教育の反省に立った計算力のある生徒が増えているというデータもあります。
一方で、文章問題の中に計算に不要な数字や、隠された数字がある場合に極端に正答率が下がるという実態があります。さらに暗算できそうな計算も筆算して答えを出す子どもが多いのも気になります。
計算と現実世界をできるだけ近づける
指を使った計算で数の感覚を養う
幼児は抽象化する能力が低いので、具体物を使った方がずっと理解しやすいのです。また、頭のなかでも具体的イメージで数える方が数の操作がし易いはずです。幼児や1年生がたし算ひき算する際に、指を折って数えるのはこのためです。
指を使うことを禁止すると、計算がずっと遅くなります。子どもが指を使っている内は、十分に使わせると良いでしょう。10進数が10本の指からできたわけで、これを体感することが数の世界を自分のものにするために大切だからです。
また、「多い、少ない」を一目見て判断する感覚を養うとよいと思います。20個くらいまでなら数えなくてもわかります。判断してから数えて確かめるのは構いません。子どもはすぐに慣れるでしょう。
その次の段階は、パッと見て数を当てられるようにすること。おはじきやキャンデーなどで練習します。これも小さい子どもはなんなくこなせるようになります。
なぜこんなことに慣れると良いのか、それはつぎにご説明するイメージ計算に使うからです。
>イメージによる計算