行政書士試験、「合格後」から「開業」までの流れを解説

行政書士試験に合格してから「開業」するまでの流れとは?

行政書士試験に合格してから「開業」するまでの流れとは?


行政書士試験合格者は、4月に合わせて開業をする方が多くいらっしゃいます。私の受講生も複数の方々が4月に開業しました。その際、さまざまなご相談を受けました。今回は、試験合格後から開業への道をお話ししたいと思います。

行政書士試験受験生は、合格後を具体的にイメージすることにより、日々の勉強のモチベーションの維持につながったら幸いです。行政書士試験に関心のある方には、行政書士についてご興味を持って頂けたら幸いです。
 

合格したら行政書士登録申請を

行政書士試験合格後の自宅開業

行政書士試験合格後の自宅開業


行政書士試験の合格発表は、毎年1月月末です。2月中旬までに合格通知と合格証が届きます。この合格証は、「資格を証する書面」として行政書士登録申請(開業申請)の添付書類になっています。ですから、合格証が届いて初めて登録が可能になります。なお、行政書士は公益職なので、日本行政書士会連合会と各都道府県の行政書士会の会員にならないと、仕事をすることができません。そこで、開業を行う各都道府県の行政書士会を通じて、日本行政書士連合会に申請をしなければなりません。

合格者は、普通、合格証を受け取ってから、その他申請に必要な書類を集めます。そして、新年度という区切りがよいので、4月開業を目指すのです。この時期は登録申請が混み合います。今年の東京会は迅速に事務処理をしており、事務処理期間は1か月前後だったようですが、以前は、申請から事務処理まで2か月くらいはみておいて欲しいと言われたものでした。
 

自宅開業の場合、「事務所」としてふさわしい場所であるかが重要

登録申請にあたりその要件についてはほとんどの方は問題ないと思います。ただ、注意を要するのは事務所の要件です。行政書士は他の士業よりも自宅開業されている方が多くいらっしゃいます。私のように自宅と事務所が別という方が少数派ではないでしょうか。 

事務所は依頼者が訪れるますので、プライバシーや個人情報保護の必要性があります。ですから、隣で家族がテレビをみているような部屋は事務所としてはふさわしくありません。自宅兼事務所の場合は事務所としてふさわしい場所であることが要求されます。

行政書士会や支部ごとに取扱いは違うようですが、行政書士会の方が事務所を見に来ることもあります。不安な方は、開業を検討するにあたり、行政書士会などに事前に相談しておいた方がいいかもしれません(開業全般についての合同説明を実施している行政書士会もあります)。

なお、参考として、東京会の基準(こちらの東京都行政書士会行政書士事務所設置指導基準)をご紹介しておきます。
 

行政書士登録申請中の過ごし方

上記のように登録申請をすると、1か月前後の待ち時間があります。多くの方は、開業準備に追われると思います。開業の挨拶状の作成などです。私自身は、インターネット上の開業を考えていたので、登録申請中は事務所ホームページの作成を行っていました。

行政書士試験に合格しても、登録が完了していなければ行政書士ではありません。「開業します」という挨拶回りをすることは許されますが、行政書士の仕事を行ってはいけません。行政書士試験に合格しているのに、行政書士法違反になってしまいます。お気をつけください。
 

開業をする前に気をつけなければならないこと

法律の世界も不況の嵐が吹き荒れています。それは、新人弁護士の経済的状況に関する報道などをみればわかると思います。開業をしたら当然に仕事が入ってくる時代ではありません。

難しい行政書士試験に受かって開業したいという気持ちはよくわかるのですが、実務家としての知識、経営者としての経営手腕が開業には必要とされます。

行政書士試験は、試験の内容と実務の内容がかけ離れているのが現実です。仕事として必要とされる実務の知識を身につけなければいけません。また、どんなに優れた実務家であっても、依頼者があってはじめて仕事が成立するのです。

そこで、自分の存在や仕事の内容を知ってもらい自分をアピールするという広告・顧客獲得戦略、安定的な依頼を獲得するための経営戦略などが必要とされます。まず開業先にありきではなく、このような戦略を練ってから開業をするべきだと思います(偉そうに言っていますが、私は「とりあえず開業してみるか」という戦略なしで開業をしました)。

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