使い手の日常を楽しく豊かにするヒラメキがいっぱい
文房具デザインのホープ、プライベートケース

プライベートケース商品

発色の良いポップな商品でも、リサイクル素材が中心。写真中央の名刺入れは、とある画期的なアイデアが秘められていて過去に名誉あるデザイン賞も受賞している看板アイテムのひとつ

意外に思われるかもしれませんが、実はフィンランドには「文房具」という言葉や概念がなく、それぞれのアイテムは雑貨屋さんや本屋さんで買い求めるのが普通。けれど、1985年にオリジナルブランドを立ち上げて以来、いわゆる文房具類のデザインに力を注ぎ続けてきたフィンランド人がいます。それが、建築家でありプロダクトデザイナーのアリ・コロライネン。「プライベートケース(Private Case)」と名付けられた彼のデザインブランドは、オフィスやデスク周りに欠かせないアイテムを中心に、現在もどんどんとラインナップの充実度が増しています。

商品2

ブランド立ち上げ以前にたまたまデザインされた書類かばんは、現在もiPadケースなどバラエティ豊かに展開している

コロライネンがこの異色なブランドを立ち上げたのは、自身が職場で感じていた小さな不自由さこそがきっかけだったと言います。当時建築家としてとある設計にあたっていたコロライネンは、図面の持ち運びにちょうどいいケースが見当たらなかったので、ならば自分で作ってしまおうと書類かばんをデザインし、使用済みボール紙を使って実際に形にしてしまったそうです。これが、現在の定番アイテムのひとつでもある再生ボール紙の書類ケースの原型となったのでした。

その後彼はいったん建築の仕事を離れ、この書類かばんのように出来る限りリサイクル素材を利用した、デスク周りのプロダクトデザインに力を入れ始めます。その開始年代を思えば、まさに「エコデザイン」の先駆けともいえるでしょう。商品生産はすべてフィンランドで行なうというのもポリシーで、ラハティに構える工場で製品が作られています。現在のラインナップもコロライネン自身がデザインを手がけたものばかりで、そのひとつひとつに、まるで発明家のように自由な発想に満ちた彼ならではのユニークなアイデアが光っています。

小さな路地にある直営店では、あらゆるアイテムを見て触って楽しく選べる

店内

色とりどり、形さまざまの商品がずらりとならぶ店内は、文房具屋さんというよりおもちゃ屋さんのよう

プライベートケースのアイテムは、直に見て触ってその魅力にはまるという人が少なくないようです。というのも、一見変哲のなさそうな商品にも、思わぬ一工夫が隠されているから。

名刺入れ

2012年レッドドットデザイン賞を受賞した、ユニークなアイデアが光る名刺入れ

例えば名刺入れは、留めボタンのついたリボンを開けて軽く引っ張ってやると、するすると自動的に名刺がスライドして出てくるという、シンプルながらもとても使い勝手の良いアイデア商品。2012年にはドイツの名誉あるレッドドット・デザイン賞を受賞した人気商品です。

他にも、携帯電話をいれっぱなしでも光や振動に気付きやすいよう内ポケット部分が別素材でできているポシェットや、マグカップみたいなシルエットで横にすれば手持ちカバンのように直に持ち歩けるノートブックなど、とにかく商品ひとつひとつにコロライネンの遊び心と自由な発想が込められていて、どれも手にするといっそう愛着が湧くものばかり。

手元で使っているだけで元気の出そうなビタミンカラーが目立つのも、北欧デザインらしさと言えるでしょうか。ヘルシンキではぜひ実際にお店に立ち寄って、それぞれのアイテムを手に取りながらその個性やあっと驚く機能性を感じ取ってみてください。

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外観

人通りの多い通りからは少し外れた路地でひっそりと営業している直営店

Private Case / Adessin Shop
(プライベートケース/アデッシン・ショップ)

住所:Pieni Roobertinkatu 12-14, 00120 Helsinki
TEL:+358 50 443 3470
アクセス:トラム10「Kolmikulma」下車徒歩約2分
営業時間:火~金曜11:00~18:00、土曜11:00~14:00
定休日:日・月曜

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