「丁寧」とはどんなことなのかを実感できる靴!
前半分にノルベジェーゼ製法を用いたYUKI SHIRAHAMA BOTTIERの作品例です。この製法を用いた靴に暫し見られがちな不躾で荒々しい所が、一切ない! 健全な逞しさと美しさとが高次元に共存しています。
その部分に光の反射で物凄い「くびれ」が浮かび上がっているのがお解りでしょうか? 実際に靴を履くと内部のその部分が見事に絞り込まれている訳で、このように土踏まず部をアウトソールとやや大きめのヒールでしっかり下支えする構造が、軍靴や狩猟用の靴に由来するもともとのフランスの紳士靴の底付けの特徴です。同様に今日の誂え靴で暫し話題になる同じエリアの「ベベルドウェスト」の処理が内踝側のみなのも、この系統のフランスの靴の特徴で、確かにこれらの意匠の方が「地に足の付いた」、言わばブレない印象がいっそう強調されます。
こちらは1ページ目の二番目と三番目の写真の靴の底面です。この種のシェイプを効かせた底付けも当然可能で、靴の性格や履き手の好みに応じて使い分けられます。釘の打ち方や底面の模様の出し方も、ひたすら緻密です。
もちろん、靴のスタイルや要望によっては上の写真、こちらは1ページ目の2枚目・3枚目の写真の靴の底面ですが、このようなギュッと引き締まったウェストの処理も難なくこなしてしまい、こちらも間延びした印象は皆無です。いずれにしても底面の緻密な模様付けが象徴するように、妥協の全くない造り込みにはただただ驚きで、福岡のアトリエ以外ではオーダーできるチャンスが少ないのが残念な限りですが、実は間もなく、大阪梅田のJR大阪三越伊勢丹で彼の靴の受注会が開催されます。
出しゃばるばかりで被害妄想の裏返し的な紳士靴ばかりがもてはやされる昨今、鋭敏さと腰の据わった佇まいを兼ね備え、履く人をあくまで足元で引き立ててくれる白濱氏の靴が、男性であれ女性であれ履きものへの美意識が高い大阪でもオーダーできる意義は極めて大きいです。仮縫い付きのフルビスポークですので、日数も金額も確かに掛かってしまいますが、妥協の全く感じられない造りにはそれだけの価値が十二分にあると思いますよ。ご覧になりに行かれるだけでも、大きな刺激を必ず受けるはずです!
一番上の写真の靴の前部をアップしてみました。ノルベジェーゼ製法特有の側面のチェーン縫いやモカシン縫いのピッチの均一さに驚くばかりです。ここまでやっていただけたら持ち主が一生離したがらない、愛着の湧く一足になるでしょうね。
■YUKI SHIRAHAMA BOTTIER 大阪受注会
・期間:2013年4月27日(土)、28日(日)
→事前に御予約いただきましたお客様を優先させていただきます。
・場所:JR大阪三越伊勢丹 8階 紳士靴売場
・価格:1足目…29万4000円~ 2足目以降…木型に変更のない場合は27万3000円~(いずれも税込)
→アッパーの素材や仕様等で価格が変動します。
・納期:約半年後を予定。
→オーダーの内容や込み具合により変動します。
なお、YUKI SHIRAHAMA BOTTIERの靴については、こちらのホームページもご覧下さい。
【お問合せ先】
■JR大阪三越伊勢丹 8階 紳士靴売場
住所:〒530-8558 大阪市北区梅田3-1-3
地図:Yahoo!地図情報
TEL:06-4301-3934(売場直通)
営業時間:10:00~20:00