英語学習の王道を歩むよろこびを知る
明確な英語学習の目的が定まっている方、目的がまだ定まっていない方……いまみなさんがどちらの立場にあっても、安易な道に分け入ることなく、英語学習における王道を迷わず歩んで頂きたいと思います。と申しますのも、「楽してペラペラ」とか、「簡単に話せる」とか、「○○するだけで英語が出来るようになる」など、このような甘い誘いは一見魅惑的に見えますが、結局は遠回りになる恐れがあるからです。
「楽してやせる」とか、「簡単に体重を減らせる」とか、「○○するだけでやせることが出来る」とか……そんなのあるはずないですよね?
楽々とうまく行っているように見える人も、陰で人知れず努力をしているものですし、こうした甘言の危うさと虚無を見抜いているものだと思います。
Easy come, easy goのことわざの通り、自分で努力してつかみ取るからこそ得られるよろこびがありますよね。それこそが、王道を歩むよろこびです。
王道を歩むには
それでは、どのようにして王道を歩めば良いのでしょうか?以下の3つの点を順に踏まえて考えてみることをお勧めいたします。
1)英語が本当に自分に必要か考えてみる
英語の習得を目指しているみなさんには矛盾するように聞こえるかもしれませんが、日本で働いて暮らしていく場合、本当に「仕事で」英語が必要な人は一握りだという主張があります。
元マイクロソフト日本法人の社長を務めた成毛眞氏は、『日本人の9割に英語はいらない』という著書の中で、本当に英語が必要な日本人の割合は1割にしか過ぎないと指摘しています。
1)長期海外滞在者:1077万人
2)外資系企業の従業員:102万人
3)大型ホテル従業員/外国人向け旅館女将/新幹線の車掌/医師/研究者:100万人
以上3つのカテゴリーの人口の合計は1279万人、つまり日本の人口の1割だという主張です。
これはあくまで「業務上」英語が必要な人の数に対する1つの主張であり、異論を唱える向きもあるかもしれません。しかし、元外資系の社長が英語の「必要性」ではなく、「不必要性」を唱えていることには注目する価値があるのではないでしょうか。
さらに、ビジネスパーソン向け雑誌の『東洋経済』は、2012年6月に「脱TOEIC英語術」という特集号を発表して、日本企業におけるTOEIC妄信に対する批判を繰り広げました。
いわゆる「TOEIC英語」における成功(=高得点)を英語学習の目的にしている場合は、これらの主張の前にすると、英語学習に対するやる気も希望も失せてしまうかもしれません。
したがって、英語力を磨くには、単なる点数やスコアを目標にするのではなく、より具体的な「英語を学びたい」というビジョンを持てるかどうかが鍵になってくるのです。
だからといって、TOEICのスコアUPという目標を掲げるべきではないと言うつもりはありません。目指しているTOEICスコアを取った後の、その先のことをビジョン化することが大切です。