ドラッカーは企業の目的の定義はひとつしかない。それは「顧客を創造すること」だと言いました(「企業の目的は顧客の創造である」参照)。では、この「顧客創造」という目的を果たすために企業には何が必要なのでしょうか。

4つの機能

ドラッカーは企業には4つの機能が必要だと言います。まずはマーケティング機能とイノベーション機能です。企業の目的ある「顧客創造」をしようと思えば、顧客のことを知り尽くすというマーケティング機能がまず必要です。しかし、マーケティング機能だけでは不十分です。イノベーション機能が必要です。
画像

顧客のことを知りつくす



マーケティングだのイノベーションだのと言われると、話が学術的になったと思われるかもしれませんが、このことは現場の仕事を思い浮かべればすぐに理解できます。

例えば、あなたの部下に仕事を依頼し、部下はあなたの依頼通りに仕事をしたとします。その部下は良い部下ではありますが優秀な部下とは言えません。現場のことは上司より部下の方がよくしっています。部下は上司の意を汲んで、上司が依頼している以上のアウトプットを出さなければ、どこの組織でも優秀だとは言われません。

これを企業に当てはめて考えてみてください。顧客の要求を満たすことは、部下が上司の言う通りに仕事をすることと同じです。企業は自社の専門分野においては、顧客以上の情報や知識や経験を持っています。顧客が望む以上のイノベーションを起こしてこそ、本来の企業の仕事をしたということになるのです。

3つ目の機能は経営管理的機能です。企業は人が集まって仕事をします。生産性をあげるには経営管理的機能が不可欠です。この経営管理的機能の経済的側面を生産性と言います。

企業は売上や利益をコントロールできない

4つ目の機能は成果測定のための利益の機能です。皆さんの会社でも売上目標とか利益目標を定めているかもしれませんが、これらの目標はよく考えてみればナンセンスです。なぜなら企業は売上をコントロールできないからです。企業が懇願しようが恫喝しようが、顧客は自分が欲しくないものは買わないのです。売上をコントロールするのは顧客です。売上がコントロールできないのですから、その結果である利益もコントロールできません。

企業がコントロールできるのは、企業内部の「マーケティング機能」「イノベーション機能」「経営管理的機能」の3つの機能だけです。利益が出てない企業というのは、これら3つの機能のどれかがうまく機能してないのです。そして、利益という成果測定のための機能があるから、どこが悪いかのフィードバック分析が可能になるのです。