新鮮さを感じさせた、しっとりとした曲調
1999年2月に発売された4枚目のシングルです。1期生である福田明日香さんの卒業の曲となりました。学業に専念するという理由でしたが、15歳という若年でありながらモー娘の中では抜群の歌唱力を誇っていただけに、彼女の卒業はとても惜しまれました。それまでの楽しい曲調からうって変わり、失恋をテーマにしたバラードです。恋人との別れを選んだ女性はメモを残し、「次の人のことは私のように愛さないで」という未練を残して去っていくというドラマティックな設定です。初めてのしっとりした曲はとても新鮮に感じました。
福田さんがAメロでソロパートを歌っていますが、彼女の歌唱力・表現力が活きています。卒業してしばらくは世間の目に触れることはありませんでしたが、2011年に芸能活動を再開しています。
アレンジはしっとりしているだけではなく間奏ではラップを入れたり、当時大流行していたR&B風のテイストを取り入れた仕上がりにするなど、聞きやすい曲調になっています。ミディアムテンポにすることで、失恋で絶望しすぎることなく、少し前向きになれそうなイメージを感じさせます。
福田さんの脱退後は、保田圭さんがソロパートを引き継いでいます。なお、保田さんの卒業シングルとなった「AS FOR ONE DAY」のカップリングには、保田さんのソロバージョンの「Memory 青春の光」が収録されています。歌唱力のある人が歌うと、この曲の持っている失恋を想像させる力や物悲しさがより鮮明に表現されるようです。
70年代までは歌唱力のあるアイドルが多かったですが、現在のアイドルグループには少し物足りなさを感じます。福田さんや保田さんのように歌えるアイドルは貴重です。見せつつ聴かせつつ、という実力派のアイドルに魅せられたくなる今日この頃です。