ご出産、おめでとうございます。新しい命をこの世に生み出すという大仕事、お疲れ様でした。赤ちゃんが人生の第一歩を踏み出し、ご家族皆さま、喜びに包まれていることでしょう。

産後の体調はいかがですか? 出産も順調で赤ちゃんの健康にも気にかかることはなくても、待ちに待っていた赤ちゃんとの生活が始まって幸せなはずなのに、涙がポロポロ出てきてしまうことはありませんか?

産後の女性は心も体も不安定な状態で、昼夜休みなしの赤ちゃんのお世話がスタートします。産後の女性の心と体の状態を理解し、自分のペースをつかんで育児に取り組んでいくための方法を考えていきましょう。

<目次>  

産後、精神的に落ち込むのは、体内のホルモン環境の劇的な変化が影響

産後の落ち込みへの対処法は?

生後10日たった赤ちゃん。2ヵ月を過ぎると、周りの働きかけに対する反応や表情が豊かになってきます。

出産直後から1週間前後に見られる「マタニティブルーズ」、出産後数週間から数ヵ月の間に見られる「産後うつ」はいずれも、産後の女性の10~20%に現れる可能性があり、珍しいことではありません。出産で胎盤が身体の外に出ると、妊娠中に多く分泌されていたホルモンから、母乳ホルモンが分泌されるように、体内環境が劇的に変わります。こうした体内の大きな変化が精神状態に影響を与えることを、パートナーにも理解してもらいましょう。「単に赤ちゃんのお世話が大変でイライラしているのではない」と知っているといないとでは、受け止め方も随分違うでしょう。

「育児に自信が持てない」「赤ちゃんのお世話をする気力がない」といった感情は、心のSOS。出産した病院、産後の家庭訪問に来た助産師さんや保健師さん、地元の保健センターなどが相談しやすい窓口です。専門の相談・医療機関を紹介してくれる場合もあります。気軽に相談してみましょう。

次に、自分でできる気持ちの切り替えの方法、生活リズムの整え方をみていきましょう。
 

何が一番つらいか整理し、対応策を考えてみましょう

産後の体調不良を強く感じる場合、子宮の回復が順調でないなどの要素が隠れているケースも。産後1ヵ月健診を待たずに、出産した病院に電話で相談してみましょう。1日中、授乳やオムツ替え、抱っこと赤ちゃんのお世話で休む暇がなく、世間と切り離されたような感覚は、誰もが少なからず持つものです。無理をため込まないよう、パートナーとの家事育児分担を、産後間もない怒涛の時期にこそ話し合いましょう。

地域の産後家事援助システム、上の子の面倒を見てもらうための一時保育なども利用してみると、地域の子育てを通したつながりを築いていくきっかけにもなります。
 

やるべきことを視覚化してみると、意外にスッキリ!

あれもこれもやらなきゃ! やりたい! と頭の中で考えていると、実際よりも多くやるべきことがあるように思えます。1日単位や週単位のToDoリストをつぶしていくと、赤ちゃんのお世話だけでも大忙しにもかかわらず、自分で思っているより色々なことができていることに気づけます。
 

体内時計に目を向けてみましょう

赤ちゃんのリズムに合わせて過ごし、赤ちゃんが眠っている時には横になって体を休めましょう。その中で、少しだけ体内時計を意識してみてください。朝決まった時間にカーテンを開け、赤ちゃんと一緒に朝日を浴び、外の明るさを感じる。朝昼晩、おおよその時間を決めて、3度の食事をとる。これらは、生活のリズムをつかみ、体調を回復させる基本となります。
 

赤ちゃんと一緒に、まずは近所の散歩から

赤ちゃんを育てているという共通項で、心の距離がグッと近づくもの

赤ちゃんを育てているという共通項で、心の距離がグッと近づくもの。赤ちゃん同士も刺激を受け合う様子が見られます。

新生児期を過ぎたら、赤ちゃんを抱っこして近所を歩いてみましょう。赤ちゃんと一緒だと、見慣れた景色や草花の様子が新鮮なものに見えませんか?

親子が集う場、赤ちゃんと一緒に参加できる講座などに参加してみるのもおすすめです。友だちを作ろうと気負わなくて大丈夫! 様々な月齢の赤ちゃんを見て「ちょっと前まであんなにフニャフニャしていたなあ」「もう1~2ヵ月すると、あんなこともできるようになるのかな」などと思いを馳せるのも楽しいですよ。お母さん同士、共通の悩みや解決のヒントが、共有できる場です。
 

信頼できる人に赤ちゃんを預けてリフレッシュ

生後3ヵ月もすると授乳のリズムもできてきて、2~3時間、人に預けることもできるようになってきます。「だんなさんに頼んでも、ちゃんとお世話できるかしら」と思っても、案ずるより産むが易し。頼れる人がいない方が、男性も育児の潜在的能力を発揮するもの。

保育園や託児所の一時保育や、ファミリーサポートセンターのシステムも利用して赤ちゃんをしばし預け、なかなか行けなかった美容院に行ったり、ガチガチに凝り固まった体をマッサージでほぐしてもらったり。費用をかけるぐらいならと我慢しがちですが、リフレッシュできた後の笑顔は、赤ちゃんやご家族も喜んでくれますよ。
 

そして、赤ちゃんにたくさん触れましょう

赤ちゃんにたくさん触れることは、赤ちゃんだけでなくお母さんの心も癒します。

赤ちゃんにたくさん触れることは、赤ちゃんだけでなくお母さんの心も癒します

私は、ベビーマッサージを通して、肌と肌のふれ合いのもたらす効果を、お母さん、お父さんたちにお伝えしています。毎日密接にお世話しているお母さんたちでさえ、赤ちゃんの身体全体にあらためて目を行きわたらせ、触れ、小さな変化や成長をしっかりとらえることで、育児への自信につながるとおっしゃいます。まだ反応の薄い低月齢のころから、声をかけ体を撫でてあげることを意識しながら、お世話をしてみてください。

効率の良さや生産性が重視される現代の世の中で、子育てはそれらと対照的です。手間ひまをかけ苦心したことが、いつどんな形で返ってくるかこないのかも分かりません。でも、目の前の赤ちゃんは、お母さんの声と触れてもらうぬくもりを、しっかり感じています。最初のうちは寝るか泣くかだけだった赤ちゃんは、これからますますかわいくなっていきます。どうぞ上手に息抜きをして、赤ちゃんの大変化を受け止めていってくださいね。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。