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妻の産後に夫ができることとは?夫婦の危機を防ぐ育児やケア方法

産後すぐに赤ちゃんのお世話に突入する妻と、赤ちゃんが生まれて少しずつ父親としての自覚が芽生えてくる夫との間には、心のすれ違いが生まれがちです。ここでは、産後で夫ができること、妻ができること、夫婦一緒にできることをそれぞれまとめました。

執筆者:千葉 美奈子

産後にありがちな夫婦の危機とは? 夫にもできることはある!

産後に夫・妻ができることとは

赤ちゃんが生まれて幸せだけど、産後の夫婦の心はすれ違いがち

赤ちゃんを迎える女性は、妊娠中からおなかの中の赤ちゃんの存在感がどんどん大きくなっていくのを体感しながら、「母親になる」という気持ちを自分の中で育んでいきます。
夫も「父親になる」という思いは少しずつ大きくなっていくとはいえ、母親の気持ちになかなか追いつくことはできません。赤ちゃんが生まれて初めてその存在をリアルに感じ、日々の中で少しずつ少しずつ父親になっていくと言っても過言ではありません。

そんな夫婦の間には、日々のちょっとした会話の中に温度差が生まれたり、それがいつしか大きな溝になってしまったりすることも。赤ちゃんという新しい家族が加わって夫婦の関係も大きな変化を遂げていく時期だからこそ、よりよいコミュニケーションを目指していけたらいいですね。

家で赤ちゃんの追われる妻、家にいる時間が短い夫という一般的な産後の夫婦の形の中で、心の決裂を防ぐためにお互いができること、そして夫婦ともにできることを考えてみました。
   

産後の夫ができること

産後は夫の家事力成長のチャンス!

産後は夫の家事力成長のチャンス!

■できるだけ早く帰る
これは、家で1日中育児をしている妻にとって、本当にホッとすることです。手伝ってほしいというよりも、話をできる人が帰ってきてくれたことにホッとする部分も大きいのかもしれません。赤ちゃんを迎えた家庭のお父さんは、働き盛り世代。なかなか毎日はそうはいかなくても、週1日でも「今日は早く帰れたよ!」と笑顔で帰る努力をしていただきたいです。

■できることを積極的にやる
母親は赤ちゃんのお世話に追われ、夕飯を食卓に出すことやお風呂の準備ができないことも多々。そんな時、何も言わずにお風呂をサッと洗ってお湯を張り、夫婦の食卓を整えてくれれば、妻の心は精神的な負担が減るだけでなく、ハートでいっぱいになるでしょう。オムツ替えを1回やってくれるだけでも助かると思うほど、産後の母親はバタバタした時間の中を過ごしているのです。

■日中の話を聞く
「大変だったね」「おつかれさま」「頑張っているんだね。」。日中の話を聞いてこんな言葉をかけてもらえると、妻は、身体は疲れていてもエネルギーが沸いてきます。

夫の方から話しかける時、「今日どうだった?」とざっくり聞くよりも、「今日は(赤ちゃんは)たくさん寝てくれた?」「体の調子はどう? 少しは横にになれた?」などと具体的に質問する方が、話が続きやすくなります。妻が、「なかなか寝てくれない」などと赤ちゃんの様子を相談した時にも、「こうすればいいんじゃないの?」「赤ちゃんなんだから仕方がないよ」という「解決」よりも、「どうしたらもう少し負担を減らせるかな」と一緒に考えてくれることに心強さを感じることも。答えを出すよりも「一緒に考えてくれる、悩んでくれる」ことを確かめたい気持ちもあるのかもしれません。

■黙り込まないでほしい
また、男性はすぐに言い返すのではなく「どうしたらいいんだろうか」と考えて黙ってしまうことも少なくありません。黙っていると無視されている、関心がないという印象を相手に与え、火に油を注ぐ形にもなります。すぐに答えられない場合には、「今すぐに答えが見つからない。きちんと考えてみる」と言葉に出すだけでも、ヒートアップしている相手が少しクールダウンできるかもしれません。
 

産後の妻ができること

■頼りにしていることを伝える
「心置きなく話せる相手が帰ってきた!」と思ったとたんに1日の緊張がフッと切れて、「今日も大変だったよ!」と伝えたくなりますよね。ぜひその前に、「帰ってきてくれてホッとした! 嬉しい!」という思いをストレートに伝えてみましょう。たまには、今日感じた「大変だったこと」「ちょっと嬉しかったこと」を、一方的にではなく、お互い報告しあう時間を作ってみるのも楽しそうです。

■1日の中の楽しかったことや発見も報告する
声がけへの反応が豊かになってきたよ!

声がけへの反応が豊かになってきたよ!

1日中赤ちゃんと向き合っている人にしかわからないことを悶々と抱え込んで突如爆発するより、時には愚痴になってしまってもいい、日々伝える方がいいと思います。その中で1日1つでも、赤ちゃんのこんな様子にびっくりした、新鮮な発見だった、大変だったけどちょっと嬉しかったなどの、プラスの報告をしてみてはどうでしょうか。日中の赤ちゃんの様子を見られないお父さんにとっては、新鮮な興味となるのでは? 休みの日の育児への意欲にもつながったらいいですね。

ありがちな、夫の「手伝おうか」「やってあげようか」という言葉に、「2人の子どもなのに……」とイラッとする場面もあるかもしれません。しかし、母親も少しずつ母親らしくなっていくよう、母親より遅いスピードで、父親が段々父親らしくなっていくことも。急がば回れ、小さなことでも楽しい、嬉しい気持ちを共有するのも、赤ちゃんのいる新体制を築いていく上で、力を発揮してくれます。

■朝の感情爆発を避ける
朝は家がバタバタする時間帯です。子育て専業のお母さんや育休中のお母さんが朝に感情を爆発させてしまうこともあるかもしれませんが、そうすると、仕事に行かなければいけない夫は、どうしたらよいものかと悩みながらも黙り込んでしまったり、「とにかく今は仕事に行かなきゃならないから!」と家を飛び出すような状況になり、妻はまだ会話もできない赤ちゃんと家に取り残された気分に。私も何度も経験がありますが、この気分の悪さは本当に最悪です! 夫は職場で仕事をして朝のやり取りなんか忘れているだろうにと、鬱屈した思いを抱えながら日中を過ごし、恨みが増幅してしまうことにもなります。
 

産後に夫婦で一緒にできること

■産後の時期にこそ、分担体制について考え話し合う
分担体制については出産前から話し合うことも大事ですが、赤ちゃんが生まれてみなければわからないこともたくさん。今の目の前の状況に対して、よりよい家族運営のためにお互いができることは何か、いずれ妻の職場復帰を迎える場合にはどういう課題が出現しうるか、「答えを出す」のではなく、「たくさん話す」機会を持ちたいですね。

■たわいない会話も大事
もう10年少し前ですが、筆者が2歳差の2人目の子が生まれて余裕がなかったころ、仕事から帰ってきた夫に、「何か面白いことなかった?」とよく聞くことがありました。「今日さ、同僚の○○がこんなことをして、こう言ったらこんなおかしな答えが返ってきて、おかしいだろ?」「おかしい! ほんと?」「うそ、今作った」なんて会話があって、それがすごく楽しかったことを覚えています。夫も、結構楽しんで作り話のバリエーションをアドリブで考えていたようです。今振り返ると、育児で余裕がない家庭の雰囲気の中、とにかく楽しい会話を求めていたのかなあと思います。

■お互いを否定しない
まだ会話ができない赤ちゃんの間でも、「お父さんは何もやってくれない」「お母さんはイライラしてばかりだ」など、お互いを否定する言葉はNG。お互いにとって何より不愉快なだけでなく、何となく発していると子どもに段々刷り込まれていきます。子どもって、親が思っているより会話を理解し、雰囲気を察知しているのですよね。特に、母親の言葉は、やはり子どもには影響力大です。
 

産後の暗いトンネルはいつまでも続かない

産後の夫婦関係は、その後の家族関係の土台にも

産後の夫婦関係は、その後の家族関係の土台にも

赤ちゃんも生後6か月前後になると、しばらくの時間1人遊びができるようになります。授乳・オムツ替え・寝かしつけが多くを占めていた頃からはだいぶ様相が変わり、産後の身体の回復も手伝って、母親にも少し余裕が生まれてきます。

産後の時期は、赤ちゃんという新しいメンバーを迎えた家族の土台になる大切な時期。その時期に夫婦でどれだけ育児を中心とした気持ちを共有できたかできなかったか、それによってお互いがどういう思いをしたかということは、特に母親の心の中に思ったよりも長く、時には永遠に残ります。

少し心の余裕ができてくると、赤ちゃんは成長とともにどんどんかわいくなっていくことも実感できるはず。長く続くように思えていた暗いトンネルの出口は、意外と近い所にあったりしますよ!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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