夫婦関係/夫婦円満のコツ

旦那を信用できない……夫への不信感から抜け出す方法とは

妻の皆様、結婚後、一度でも夫を疑った経験がありますか? 「過去の浮気や嘘がきっかけで、旦那を信用できない」「信じられなくて苦しい……」そんな妻たちについて、実際に寄せられた相談をもとに分析し、不信感から抜け出す方法はあるのか考えます。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

「旦那を信用できない……」夫への不信感を募らせる妻たち

旦那を信用できない……夫への不信感から抜け出す方法とは 

「夫が信用できない」という妻の悩みは少なくありません


筆者の主宰している「恋人・夫婦仲相談所」では、長い休みがあった後など、主婦のみなさまからの相談がどっと増えます。その内容で多いのが、旦那様の行動に対する「不信感」。

普段はお仕事が忙しく、家にいる時間が少ない旦那様がたまに家でゆっくり過ごしていると、いつもなら目に付かない、気付かない行動が、主婦のみなさまは気になってくるようです。

そこで今回は、「過去の嘘や浮気がきっかけで、旦那を信用できない」「信じられないのが辛い」、そんな妻たちについて、実際に寄せられた相談をもとに分析。不信感から抜け出す方法はあるのか、考えてみます。
 
<目次>
 

夫が信用できなくなったきっかけは、産後に発覚した夫の浮気

育児に夢中になっているうちに……産後に夫の浮気が発覚

育児に夢中になっているうちに……産後に夫の浮気が発覚

R奈さんは30歳で結婚5年目。結婚後、しばらく不妊に悩んでいましたが、昨年夏に念願のお子さんが生まれました。やっと授かった男の子を夢中で育て、母として幸せの絶頂にいた彼女に大きなショックを与えたのは、旦那様の浮気でした。

R奈さんが浮気に気付いたのは、車の助手席の下に落ちていた使用済みの避妊具。問い詰められた旦那様は、会社の後輩の女性とR奈さんの出産直後から浮気をしていたことをあっさり認めました。

激怒するR奈さんとR奈さんのご両親に土下座をして謝り、「やり直したい。今度こそR奈を幸せにするから」と涙を流した旦那様を許したのが、昨年11月始めのことでした。

夫婦仲を再生することを決めたR奈さんご夫婦。クリスマスからお正月、2人がたくさん一緒にいられるこの時期は、改めてお互いの愛情と絆を深める期間になるだろうな、と思っていたのですが、R奈さんの一言は意外でした。

「年末年始、夫と一緒にいるのが苦しくて、いらいらして、すごく辛かったです」

浮気が終わってしまえば元通り? 夫の一挙一動が気になる妻

携帯電話がイライラの原因?

携帯電話がイライラの原因?

あれだけ涙と土下座の騒ぎとなった浮気騒動ですが、終わってみれば旦那様はすっかり元の生活に戻っていました。職場の浮気相手とは、もはや不倫関係にないとはいえ、同じオフィスで毎日顔を合わせています。

もともとマメで人付き合いのよい旦那様は、会社の同僚や部下、自分の友達などと飲みに行くことも頻繁にありました。浮気発覚当初は飲み会も控えめでしたが、2週間もすると元のペースに。

飲み会がなくても、仕事柄深夜に帰宅することが多い旦那様なので、普段はどうしてもすれ違いの生活を送りがちなR奈さん夫婦。この年末年始は久しぶりに一緒に家にいられるので、夫婦仲を取り戻す良いチャンス、とR奈さんも当初は考えていたそうです。

しかしいざ年末年始のお休みに入って2~3日すると、気持ちがゆっくりできるどころか、自分がいらいらしているとR奈さんは感じ始めました。原因は旦那様の携帯です。

普段は旦那様が持ち歩いているためにほとんど気にならなかったのですが、家にいると、頻繁にメールの着信音が鳴ることにR奈さんは気付きました。メールの着信音が鳴ると、彼は携帯を手にリビングをでて、どこか別の部屋で内容を確認している様子。

いまでは旦那様のメールの着信音がいつ鳴るかと、一日中気になるほどになってしまったそうです。
 

夫の浮気で傷ついたのは結局、私だけ?

浮気事件で損したのは私だけ……? 夫はすっかり普通の生活に戻っているのに

浮気事件で損したのは私だけ……? 夫はすっかり普通の生活に戻っているのに

「どんどん想像が膨らんでしまって、実は夫がお風呂に入っているすきにこっそり携帯を見てみたんです」とR奈さんは打ち明けてくれました。

携帯メールの送受信の履歴は消されていて、浮気につながるような証拠はなかったのですが、消されていることで、安心するどころか余計に不安をかきたてられてしまったとのこと。

メールの着信が多い、メールの確認を隠れてやっている、送受信履歴も消してある……。そうなると、まさに夫の一挙手一投足が気になる。そして夫の言葉1つ1つが自分と浮気相手を比べているように感じ、何か言われても、素直に受け取れなくなってしまったR奈さん。

「浮気事件で、心労のあまり、私は5キロもやせたのに、夫はもはや浮気はなかったことのような顔です。今まで通りに誰にでもマメで、付き合いのいい男に戻ってしまっています。浮気についての話題も、その後一切出ず、改めて謝罪を口にすることもありません。

浮気という罪を犯したのは夫と後輩の女性なのに、そのふたりはまったく傷ついたふうもなく、何の償いもしていないまま、また普通の生活に戻っているんです。浮気をされた、被害者の私だけがいつまでも傷つき、浮気の再発におびえ、メールの着信にいらいらし、損をしているなんておかしいと思いませんか? でも夫を疑うことを止められないのです」

とR奈さん。まさに「夫への不信感」からどんどん自分の心を傷つけ、夫婦の絆の再生とは逆の方向に行ってしまっていることがうかがえました。

彼女がはまってしまっている「夫への不信感」から抜け出すにはどうしたらよいのでしょうか。

夫への不信感から抜け出せない原因は、誰のせい?

扉を開けて、夫への不信感から抜け出すためには?

扉を開けて、夫への不信感から抜け出すためには?

「どうしたら旦那様を信用できるようになると思いますか?」と私がたずねると、R奈さんは「夫に不審な行動をやめてもらえば信じられます」と即答しました。

「携帯を私が見てもいいようにしてもらうとか、メールが着信したら別の部屋に行かずにそこで確認するとか、送受信履歴を削除しないとか。もっと言えば、会社の帰りに飲みに行かないとか……」

「本当にそうなれば、旦那様を疑わないですか?」「疑われるようなことをしなくなれば、私だって夫を疑いません」「でも、旦那様の行動を疑わしいもの、と決めつけているのはR奈さんの心ですよね。R奈さんの心が変わらなければ、また旦那様の別の行動が疑わしく見えてくるだけではないですか?」

R奈さんは黙ってしまいました。

「夫が疑わしい行動をするから疑うのだ」と主張していたR奈さん。でも、旦那様の行動を先に「疑わしい」と決めつけているのはご自分の心なのです。

旦那様を疑うという気持ちが変わらなければ、彼が何をしても、それが次々と疑わしく見えてしまいます。変わらなければいけないのは旦那様ではなく、R奈さんの方なのではないでしょうか。次の項目では「夫への不信感」を断ち切る方法を考えます。
 

夫への不信感から抜け出す方法……自分の心の中を整理する

苦しくても、妻の方が旦那様を信じ、「疑いの目で見る」という態度を変えていくことが大切

苦しくても、妻の方が旦那様を信じ、「疑いの目で見る」という態度を変えていくことが大切

もちろん、浮気をされ、R奈さんが深く傷ついたことはわかります。

しかし、旦那様が浮気のことなど忘れたかのように素知らぬ顔をしているのは、自らまいた種とはいえ、妻や妻の両親の前で土下座をする羽目になって傷ついたプライドを保つ、精一杯の姿勢なのかもしれません。あるいは、R奈さんをこれ以上傷つけないよう、その話題に触れないようにしているのかもしれません。

メールの確認を別室で行ったり、送受信履歴を削除しているのも、メールに過剰に反応している、R奈さんのピリピリしたムードを察し、これ以上R奈さんを刺激して険悪な雰囲気にならないように、という配慮かもしれません。

旦那様が疑わしい行動をすると決めつけ、それを変えてほしいと要求しても、相手は自分が疑わしい行動をしているとは思っていませんから、その要求が理解できないでしょう。また、自分が妻から疑われている、信用されていないと思えば、自然と妻への愛情も少なくなっていくでしょう。

このマイナスのスパイラルを断ち切るには、苦しくても、妻の方が腹を据えて、旦那様を信用し、「疑いの目で見る」という態度を変えていかなければならないのです。

浮気をした。でももう終わりにした。もう会うこともない。だから妻も納得しているだろう、と単純に割り切りがちなのが男性側。

それに対し、浮気をされた女性側は、目の前にいる夫が、どんな目で浮気相手を見、どんな言葉で彼女にささやきかけ、どんなふうに彼女を抱いたのかをことあるごとに想像し、またいつ他の女性に視線が向かうのかと不安に縛られて、旦那様への不信感から離れられない場合がありがちです。

しかし、自分の心の中を自分で整理して、新しい一歩を踏み出さない限り、夫婦関係の再生はあり得ません。疑いのまなざしで見られている限り、旦那様にとって家庭は居心地の良いものにはならず、それが逆に次の浮気につながっていくという皮肉な現象も起きるのです。

ご相談者のR奈さんは、「自分は夫婦の再生を望んでいるから夫への不信感を抱いてしまうのだと思っていましたが、不信感こそが夫婦の再生の妨げだったのですね」ときっぱりとおっしゃって席を立たれました。きっと彼女はその日から自分の気持ちを切り替えることが出来たのだと思います。

皆様はいかがですか? 夫への不信感にとらわれて、大事なものを見失わないようにしてくださいね。

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