産後の基礎知識/産後の生活

産褥期の過ごし方……産後のママと赤ちゃんにとって理想的な生活とは

産褥期の過ごし方でママに重要なことは、とにかく女王様のように横になって休むことです。育児や家事を完璧にこなす必要はありません。出産後に疲れた体や心をいたわり、ゆったりとした産褥期を過ごすためにはどうしたら良いのか。その秘訣を綴っていきます。

執筆者:曽我部 ゆかり

産褥期の過ごし方……産後の理想的な過ごし方とは

産褥期の過ごし方とは?

産褥期の過ごし方


産後はできるだけ寝て過ごしカラダを休めたほうがいいと聞きました。実家の母には頼めず、退院後はすぐに主人と二人で新しい生活をスタートしなければなりません。授乳をはじめ赤ちゃんのお世話で目一杯で、なにもできなくなるのではないかと不安になります。皆さんはどうやって育児や家事をしているのでしょうか。
   
<目次>
 

産褥期の過ごし方は、大家族と核家族で変わる?

現代でも、アジアの国のある地域では大家族で暮らしているため、赤ちゃんは親族の誰かにつねに抱っこされているといいます。一日のうちで床に敷いたお布団の上に置かれるのはごくわずかの時間、泣いたらママの腕に戻されておっぱいを飲んで、また家族の誰かが抱っこしてくれます。そんな環境だったらママも疲れ知らずで家事も楽しくこなせるかもしれないですね。
 

一日の大半を抱っこで過ごす現代のママと赤ちゃん

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赤ちゃんとママがしっかり向き合うために

日本の都市部では、核家族で子育てするのが当たり前の環境です。産後間もなく退院して自宅に戻ったママは、一日の大半を赤ちゃんを抱っこして過ごすことになります。ママはお産で受けたダメージをゆっくり回復する間もなく始まる育児と家事で疲れ切ってしまうのも無理はありません。

でも、産後6週間の産褥期間は、ママ自身もお産で受けたカラダのダメージを回復する大切な時期でもあります。この時期にはできるだけ「目を酷使しない」「水仕事をしない(カラダを冷やさない)」など、子宮の回復のための注意が必要になってきます。

昔から「産後の肥立ち」という言葉があるように、お産でダメージを受けたカラダをどういたわるかで、10歳若返るか、10歳老けてしまうかの分かれ道になってしまうともいわれています。

また、お産を通してのホルモンの急激な変化に、産後の疲れが加わって、人によっては産後うつになったり、また稀に産後精神病を発病するようなケースもあります。そうならないためには、ご主人をはじめ周囲の方達のママへの心身両面でのいたわりが大事になってきます。
 

産褥期は長い人生の中でひとときのこと、過ごし方は安静に

そうは言っても、働き盛りのパパは帰宅時間も遅かったり、出張続きなどということも当たり前です。そして休日は寝て過ごしたいと思うのも当然といえば当然のことですよね。

でも、産褥期は長い人生の中の一時のことです。お産の時と産後の過ごし方を夫婦でよく話し合っておくようにしてはいかがでしょうか。たとえば、お産の日は駆けつけることができるよう会社の上司や同僚の理解を求めておいたり、また、産後には有給休暇を活用し家事をするといったことも一考に値するでしょう。
 

産褥期の過ごし方=赤ちゃんとママの絆を作る大切な時期

ただし、夫婦二人で乗り超えようとする必要もありません。若いご夫婦にとってすべてが初めての体験となります。はじめは誰だって手探りです。皆そんな時期を乗り越えて、夫婦の絆を深め、親として成長していくのです。

ですから夫婦二人で抱え込まず、時には私たちのようなドゥーラや産後ヘルパーなど専門家に育児のアドバイスを受けたり、家事を手伝ってもらうことも大切になってきます(ドゥーラとは「寄り添う人」という意味のギリシャ語で、産前産後のママとそのご家族のメンタル&ボディケア、家事代行をする専門職です)。

仮に、ご実家の手や専門の方の手を借りることができずに夫婦二人きりで育児と家事をすることになった場合でも、完璧を目指す必要はないことも忘れないでくださいね。“育児も家事も失敗がつきもの”というぐらいの大らかさも大切かもしれません。産後うつになりやすいママは完璧主義の人に多いというデータもあるそうですから……。
 

産褥期は赤ちゃんとの絆を作る大切な時期

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赤ちゃんのためにも産褥期のママはゆっくり休みましょう

最後に、生まれたばかりの赤ちゃんにとって、この時期はお母さんとの「一生の絆」をつくるとっても大切な時期だということも皆さんにお伝えしておきたいなと思います。赤ちゃんに限りない愛情を注ぎ、溌剌ときれいなママでいてくれたなら……。パパの笑顔も生まれるはずです。

繰り返しになりますが、育児も家事は完璧にこなす必要はなく、疲れる前に専門家にお願いするなどといった心の幅を持ち、家族みんなの調和が生まれるような生活を目指しましょう。
 
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