裾幅の細いパンツのメリット、デメリットとは?
ビジネス用のパンツだと、これが限界の短さでしょう。これ以上短いのが好みだと、裾幅をもっと細くしたいところです。
ここ数年(とうより、かなり長きにわたり)、イタリアブランドのカジュアルなコットンパンツは裾幅20cm以下(18cm位)の細身のシルエットが当たり前。くるぶしが見えるくらいの長さにロールアップして穿くのがいまや常識です。同じように既製品のビジネススーツも裾幅が細く、それに合わせて丈も短めが主流です。
今回はビジネス用のパンツに絞って考えてみます。既製品のスーツはセットアップで販売されていることが多く、ジャケット単体で、あるいはパンツ単体で着用してもカッコよく、バランスがいいようにデザインされています。ジャケットの着丈は短めで、パンツの股上は浅め。シルエットはノータック仕様の細身が特徴です。全体のバランスから結果的に裾幅も細くなっています。
お洒落に敏感なビジネスマンがセレクトショップで買ったスーツは、たいていこのようなデザインです。その一方で、太めのシルエット、裾も長めのパンツを穿いた中年のビジネスマンも多く見かけます。そこで、裾幅20cm以下の細身で、短丈のパンツのメリットとデメリットについて考えてみました。
■裾幅の細いパンツのメリット
- センタークリースがまっすぐ落ちることで、清潔感が漂う
- カジュアルな雰囲気が出る
- トレンドに敏感で、若々しいイメージを与える
- 足の小さな人は、足を大きく見せることができる
■裾幅の細いパンツのデメリット ・細身のため、O脚が目立ってしまう
・お金持ちに見えない
・軽薄に見られがち
つまり若い人や靴のサイズの小さな方にはメリットがありますが、30代後半から40代以上の責任のある立場の方や、お堅い職業の方にはあまりおすすめできません。自分の体型に合った、もう少しゆったりとしたシルエットのパンツが無難でしょう。丈も少し長めの方が落ち着いて見えます。ただし引きずるような丈は駄目。要注意です。
ビジネスーツの適正裾幅は20cm~22cmくらい
少し長めに感じるかもしれませんが、これがビジネスパンツの平均的な丈です。これ以上長くなると、だらしない印象になります。
では、トレンドに左右されないビジネススーツの、適正な裾幅は何cmかというと、20cm~22cmくらいです。 この数字は信頼のおけるビスポーク専門のテーラー数軒に伺った、平均的な裾幅です。フルオーダーを中心に仕立てているテーラーは、体型や年齢の異なるさまざまなお客さんを相手にしています。経験から導き出された数字は説得力があり、既製スーツを着る上でも参考になります。ちなみにフロントがノータックの細めのパンツでも裾幅は20cmくらいだそうです。
パンツの丈についても靴の甲に少し触れて、センタークリースが折れる、いわゆるワンブレイクが多いそうです。お客さんの好みもあるでしょうが、全体のバランスを考えてテーラーが長さを設定しているようです。つまり、コンサバティブに仕立てるテーラーの場合、くるぶしまで見えるような短い丈にするお客さんはいないとのこと。モッズスーツ専門店は別でしょうが……。
- ノータックの細身のビジネスパンツの場合:裾幅20cm。丈はやや短め。
- タックありの中庸的な太さのビジネスパンツの場合:裾幅20cm~22cm。丈は普通。
上手なスーツの着こなしは足元から
初めて本格的な既製スーツを購入しようという方は、裾幅はともかく、極端に短い丈にしないことです。お金に余裕のある方は、パンツのシルエットをある程度注文できるパターンオーダーがおすすめです。 女性が鏡の前でチェックするように、男性もそろそろパンツのシルエットにこだわってもいいかな、と思います。【関連記事】