岩田社長の進退をかけた2013年

ニンテンドーダイレクトの図

ニンテンドーダイレクトなどでもお馴染みの岩田社長。Wii Uの展開にはその進退がかかっています(イラスト 橋本モチチ)

任天堂は、2013年1月31日での決算説明会おいて、2014年3月期の決算で営業利益1,000億円を目指すということが、コミットメントであると岩田社長が説明しました。2014年3月期の決算ということは、つまり2013年4月からの1年間の業績について、1000億円の営業利益を目指すということですね。そしてコミットメントという言葉、これはつまり、約束します、ということなんですが、非常に強い言葉です。責任を伴う約束、とでも言いましょうか。岩田社長の進退を示唆した、と言ってもいい表現です。

岩田社長は、ゲームキューブ時代に2番手に甘んじていた任天堂を、DSやWiiの成功で大きく躍進させた人物で、内外から大変な信頼を集めている方です。その岩田社長が進退をかけるとなると、任天堂の将来そのものに大きく関わることになります。

逆に言えば、その岩田社長がコミットメントという強い言葉を使ったのですから、現状を覆すだけの策を持っている、と考えることもできます。少なくとも、現状を良しとはしていないでしょう。

ニンテンドー3DS(以下3DS)をはじめとして、次々に次世代ハードが登場しています。どのハードも苦労しているのが、タイトル数を確保することです。プラットフォーム運営が最もうまくいっているのが3DSで、本体の普及速度はDSに近いレベルです。しかし、タイトル数の増え方でみると、DSの半分程度の勢いなんですね。PSVitaはさらに少ないという状況で、これが開発に期間がかかり、コストが高い据え置きハードとなると、大変な困難が予想されます。

2013年2月21日には、PS3の後継機、PlayStation4が発表されました。PS4はPCに近いマシンを用意することで、独自性を出すよりは、マルチプラットフォームの選択肢から外されないような環境を作っていく選択肢を選びました。当然、PS4ならではの特徴がもっと欲しい、という批判があるわけですが、ソニー・コンピュータエンタテインメントは、困難になるであろうタイトル数の確保を優先した決断を行った格好です。この決断が正しかったかはともかく、そういう決断が迫られる状況が存在しているということは言えるでしょう。

PS4の決断と比べると、Wii UはWii U GamePadを軸にした独自路線を進むことになります。そんな中で、Wii Uならではのキラータイトルで盛り上がりを作るのはもちろんのこと、それを維持するためには多数のコンテンツ群を形成しなければいけません。最低でも、たくさんゲームがでるな、という期待感は必要です。

退路を断った任天堂、Wiiの成功と失敗をWii Uに活かすことができるのでしょうか。勝負の年となりそうです。

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