米と雪と酒の聖地、魚沼の蔵「鶴齢」に立つ
雪に青空が生える牧之通り
この地のシンボルでもある八海山と巻機山(まきはたやま)を臨み、魚野川と登川の合流地で豊かな田園地帯。春夏は清々しい緑、秋は色とりどりの紅葉が楽しめるが、塩沢は雪とともにある冬の町でもある。
青木酒造のエントランス。雁木が雪国らしい
この日案内してくださるのは、酒造り歴21年の今井隆博杜氏と営業担当の越後美人目崎祐子さん。
日本酒好きには見慣れた、印象的なロゴ
千粒重とは、米粒1000粒の重さのこと。この重さが重いほど粒が大きい、つまり、酒米としていいという判断になる。ちなみに通常ご飯として食べる米は20~22g程度、最高の酒米と言われる山田錦は28g前後だ。
「鑑評会に出品する酒の使用米は山田錦ばかり。それも磨かないといい味にならない。これだと鶴齢らしい味にならないのです。この越淡麗だとしっかりと味が出るのです」と杜氏。
新潟の酒はご存じ「淡麗辛口水のごとし」であるが、鶴齢は新潟としては味があるタイプで、そこが人気の素でもある。
新潟酒の中では、飲みごたえある味わい
蒸しあがったばかりの酒米、体力がいる仕事
重要な作業である米の「蒸し」は和釜を使う。不思議な表現ではあるが「カラッとした蒸し上がり」になるからだ。この釜、最大で1トンの米を一気に蒸せる大きさだ。そのぶん作業は重労働。
酒造りで最も重要な作業が蒸しだ
磨きの技術はあるが、やはり比較的飲み応えのある酒造りがモットーだとわかる数字だ。
「仕込み水は13℃。外気と米や水の温度が同じだと米がストレスを感じないのです」とまるでわが子のように醪を眺める。さらに大型の仕込みタンクは、酸化しないようにきっちり蓋をする。細かい心遣いが商品の出来具合を左右する。
製麹機は高性能のコンピューター管理、人間並みのきめ細やかさだ
仕込みタンクを前に今井杜氏







