製法
酸味が特徴のシェーヴル。他のチーズは凝乳酵素(レンネット)でミルクを固めるのに対し、シェーヴルでは主に乳酸発酵によってミルクを固めているのが、酸味の理由。大まかですが、シェーヴルチーズの製法は以下の通りです。- 搾乳した山羊のミルクを温め、乳酸菌を加えて1~2日乳酸発酵させる。凝乳酵素のレンネットも加えてミルクを固める。
- 固まったミルクを濾して固形分を型に入れ、1日かけて水を切る。
- 塩を振りかけて加塩する。※この後、チーズによっては炭の粉をまぶしつけることもある。
- 室温10~11℃、湿度80%の環境で、時々手で反転しつつ、必要に応じて熟成させて出来上がり。
バラエティー豊かな形
メダル形、俵型、ピラミッド形、丸太形、コルク型、ボンドン(樽栓)型……。シューヴルはみんな小さくてカワイイ形ですね。なぜなら、山羊は1頭あたりの搾乳量が、平均1日2.5L。牛の1/10以下です。また、山羊乳の性質上、もろく壊れやすい。だから、どうしても大きなチーズを作る事が出来ず小さなチーズになってしまいます。でも、この小さくてバラエティーに富んだ形もシェーヴルの魅力の1つ。それに、シェーヴルは味わいの似たものが多いので、形はチーズを見分けるのにとても役立ちます。
味わい
シェーブルの味の特徴と言えば、まずは酸味。乳酸発酵主体でミルクを固めて作るため、ヨーグルトのように爽やかな酸味がチーズに残ります。この酸味は若いほど強く、熟成が長くなるにつれて柔らかく変化していきます。そして酸味が和らぐのとは反対に、熟成が進むと今度はナッツの様なコクが生まれます。しっかりと固く熟成させたシェーブルを口の中で溶かすようにして食べると、心地よく余韻の長い旨味が広がり、とても美味しくいただけます。こうした熟成による味わいの変化を楽しめるのも、シェーヴルの魅力です。