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「犯人はこの中にいる!」なゲーム 人狼(2ページ目)

人狼、というゲームの名前を聞いたことがあるでしょうか。コンシューマーゲームではありません、ソーシャルゲームでもありません。もとはヨーロッパの伝統的な遊びで、現在ではボードゲームとして様々なパッケージが売られています。この人狼、参加者同士が騙し合いを繰り広げるとんでもないゲームなのです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

それぞれの役割で推理したり、騙したり

人狼の図

最初にカードを配って、役割を決定します。人狼や占い師になるとドキドキです

このゲームの1番のポイントは、昼のターンの話し合いです。ここで村人側は人狼を処刑したいですから、推理をしなくてはいけません。しかし、何の材料も無ければただの当てずっぽうになってしまいます。そこで、ゲームの中には特殊な能力のある役割が何人かに与えられます。その役割をここでいくつかご紹介したいと思いますが、役割の名前や特殊能力は様々なパッケージや、ローカルルールなどで異なることがありますので、代表的な例ということでお話していきます。

まず、最も重要な役割の1つである、占い師、あるいは予言者などとも呼ばれることのある役割。占い師は夜のターンにこっそり、誰か1人を選んで、その人が人狼なのか、村人なのかを知ることができます。それから、ボディガード、毎晩1人を選ぶと、その人が人狼に襲われても殺されないように守ることができます。多くは、占い師を守るのが一番の役割ですね。霊媒師は処刑した人が村人だったか、狼だったかを知ることができる役割。処刑した人が村人だったか、狼だったかで、その人の発言が本当か嘘かが分かりますから、時に推理を決定的にする情報を得る場合があります。また、狼があと何匹、村に残っているか知ることができる点も大変に有利です。

村人に有利な役割ばかりかといえばそうでもなく、狼側の役割もいます。例えば、能力的にはただの村人で、ただし狼側が勝利した時に自分も勝利する、という狂人という役割もいます。彼は預言者に調べられても村人と判定されますし、夜にこっそり起きだして誰かを食べるということもない、ただの村人。でも、狼側の人間ですので、場を引っ掻き回してみんなが推理できないようにしてしまいます。

他にも様々な役職があり、基本の役職だけでシンプルに遊ぶこともできれば、たくさんの役職を入れて楽しむことも可能です。自分で考えた役職を入れて遊ぶ人もいます。

「あの人が人狼です!」「そういうお前が人狼だ!」

人狼の図

まるで逆転裁判のような激しい議論が起こることも

ゲームが始まると、最初はあまり情報が無いですから、勘や、ちょっとした仕草から人狼を探します。「あの人は目が泳いでいたぞ、怪しい」「何かやたらと饒舌にしゃべっているのは、人狼だからじゃないか」「むしろ何もしゃべらないあの人の方があやしい」などなど、手探りの議論を進めていきます。

そのうちです、人狼だと疑われてしまった1人がこう言うのです「俺、実は占い師なんだ」一斉に注目が集まります。「俺の占いでは、あいつとあいつは村人で白、そしてこいつが人狼なんだ!」その時、別の誰かが平然と言い放ちます。「あ、それ嘘だよ、そいつ人狼じゃないか?」「なんでだよ!俺占い師だって言ったろ!」「いや、占い師俺だから」

もちろん、どちらかは偽物です。そして偽物は人狼か、もしくは狂人である可能性が高くなります。そして本物は、次の夜から、人狼に狙われる可能性が非常に高くなります。村人はどっちを信じて、どっちを処刑するのか、あるいは両方生かしておくのか、その場合ボディガードは誰を守るのか、選択を迫られます。さらに「あいつが偽物だとしたら、あいつが占いで村人だと言った奴も怪しいんじゃないか」とか「俺を疑ってくる奴が怪しい」とか、さらに疑心暗鬼が渦巻いて、場は混乱してきます。

時に探偵気分で推理し、時に大嘘をついてまわりを騙し、占い師だと信じてもらえず慌てたりと、毎回色んなドラマが起こるのが最大の魅力です。
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