ライバルに対し4枚ドアゆえ日常使いも便利
先述のようにエンジンやトランスミッションを専用開発されたIS-F。ほかにもサスペンションやアルミホイール、タイヤなどが専用品です。専用となるメーターには切削加工が施された金属リングが、指針は青色LEDが採用されています。またスピードメーターは300km/hまで表示。専用チューニングされたマークレビンソンのサウンドシステムがオプションで用意されています
さらにお膝元である富士スピードウェイだけでなく国内外のサーキットを徹底的に走り込み、アクセル、シフト、ステアリング、ブレーキに対するレスポンスや、エンジンサウンド、加速感までこだわったというのがISに「F」を付けるだけの所以です。
外観も専用のエアロパーツが装着され、ベースのISに対して全長+85mm(4660mm)、全幅+340mm(1880mm)、全高-15mm(1415mm)というワイド&ローな戦闘的スタイルに。
一方で、レクサスブランドらしくサイド&カーテン、さらにニーエアバッグなど安全装備をたっぷりと標準装備するほか、HDDカーナビ、インテリジェントAFS(コーナーなどで曲がる方向をヘッドライトが照らすシステム)、電動&本革シートなどの快適装備も標準で備えています。
白と黒を基調としたコントラストの強いインテリア。リアシートはセンターコンソールが備わり、いずれの座席もサーキット走行が考えられたホールド性にの高い専用スポーツシートとなります(このため乗車定員は4名)。
クーペボディのM3やGT-Rに対し、ドアを4枚持つ実用的なセダンとしても十分使えますから、例えば平日は奥さまが買い物に出かけても不思議ではありません。サーキット走行も想定している以上、乗り心地は硬めですが、スポコン系とは明らかに違いますから奥さまからご理解も得やすいのでは?
だいたい、この車を買ってサーキットをガンガン攻める人って、一体何人いるんでしょうね。たまの休日にサーキットで楽しむことがあったとしても、普段はフツーのセダンとして使うことになるでしょうから、快適装備の充実は大切だと思います。
ではフツーのスポーティセダン、つまりベースのISと価格はどう違うのか。原稿執筆時点で比べて見ると、先述のIS-Fが2008年式/5.4万km/修復歴なし389万円、同じ2008年式でIS250バージョンIが4.1万km/修復歴なしで189万円。ちょうど200万円違います。
しかしIS250バージョンIの新車時価格は415万円。つまりIS-Fより351万円安かったわけですから、その差がグッと縮まった、つまりIS-Fのお買い得感が増したということになります。
IS-Fのポテンシャルを最大限に引き出そうとすれば、サーキットに持ち込む以外はなさそうですが、それでもちょっと交差点を曲がっただけ、あるいは高速道路で加速したときなどに、素性の違いは十分すぎるほど感じられるはず。おいしくなった今、狙い目ではないでしょうか。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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