オープンに辿りついてもG1はまだまだ遠い……
さて、晴れてオープンクラスとなったローマンレジェンドですが、まだG1には出られません。というのも、G1レースで1回に出走できる頭数は多くて18頭。その出走権は、やはり稼いだ賞金を元に決められます。オープンクラスでは、今までにたくさん稼いだ馬が多数いますから、オープンになったばかりの馬がG1に出るのは困難。ローマンレジェンドがG1に出るためには、まだまだ賞金が足りないのです。ということでローマンレジェンドは、G1出走権を得るために、オープンクラスのレースで3戦します。その成績がこちら。
2012年7月15日 ジュライS(オープン) ダート1800m 1着
2012年8月25日 エルムS(G3) ダート1700m 1着
2012年11月4日 みやこS(G3) ダート1800m 1着
オープンに昇格してもローマンレジェンドの勢いは止まらず3連勝。重賞である「G3」も2勝し、この頃には、すっかり「新スター候補」として、競馬界のパパラッチに追われる程の注目を集めます。賞金的にも、これだけ勝てば十分G1への出走は可能。最初の2連敗から、8勝を挙げてついにG1の舞台へ。よく頑張ったよ、本当に。
しかし、ここからがG1における本当の「すごさ」
そして2012年12月2日。破竹の勢いで勝ち上がってきたローマンレジェンドは、いよいよG1の舞台で頂点を狙います。がしかし、結果は……2012年12月2日 ジャパンカップダート(G1) ダート1800m 4着
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悲しいかな、ここで連勝ストップ。ちなみに、ローマンレジェンドのように下のクラスから一気に上がってくる馬は滅多にいません。いわば千代の富士以来の怪物。ですが、そのローマンレジェンドでも跳ね返されてしまうのがG1という最高峰のレースなのです。
しかし、全国のローマンレジェンドファンの皆さん安心してください。新スター候補は、その悔しさをバネに挑んだ次のG1レースでやってくれます。
2012年12月29日 東京大章典(G1) ダート2000m 1着
※レースの動画はこちら
やっぱりローマンレジェンドは強かった。ウルフと呼ぶべき怪物でした。ただ私は思うのです。そのローマンレジェンドでも、初挑戦のG1では負けた。それこそが「G1」のすごさなのだと。つまり、どんな怪物でも初挑戦であっさりG1を勝てるほど甘くない。今後まだまだG1を獲りそうなローマンレジェンドでも最初は手こずるほど、レベルの高いレース。それがG1なのです。
次ページでは、G1で行われたある駆け引きのエピソードを紹介します。