競馬

追っかけシリーズ第13回~復活の手応えをつかめるか~

昨年の夏、キャリアでもっとも厳しい2連敗を喫したシャドウダンサー。スランプから立ち直るべく、今年に入るまで約5ヶ月もの休養をとりました。そして1月、いよいよシャドウダンサーが戻ってきました。復帰戦は、なんと「G2レース」という大舞台。はたして、復活できるのでしょうか……

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド

夏以来の復帰戦は、まさかの重賞レース!

class

シャドウダンサーは1600万下クラスで奮闘中!

現在、上から2つ目となる「1600万下」のクラスに所属するシャドウダンサー。あとひとつこのクラスのレースを勝てば、晴れて最上級クラスの「オープン」に昇格……なのですが、昨夏にはこの1600万下のレースで12着、7着という自身最悪の連敗を喫してしまいました。完全なスランプです。

2014年の秋には、1000万下のクラスを勝ち、続く1600万下のレースでも僅差の2着。「あ、これならすぐにこのクラスは突破できそうだな」と思っていたのが、とんでもない。1年以上にわたる足踏みとなってしまったのです。

最上級クラスのオープンは、G1~G3という格がつく「重賞レース」の行われるクラス。なんとしても1600万下を突破して、その舞台に駒を進めてもらいたい!

陣営は、スランプに入ったシャドウダンサーを立て直すべく、昨年8月1日のレースを最後に、今年1月まで長い休養をとりました。そして、真冬の本番と言える1月17日に復帰戦を迎えたのです。しかし、その復帰戦は意外なものでした。G2日経新春杯(芝2400m/京都競馬場)です。

そうです、日経新春杯は先ほど述べた「重賞レース」。G1に次ぐ格を持っている、強豪が集う舞台です。「あれ、なんで1600万下の馬がオープンの、それも重賞レースに出られるの?」と思った方もいるかもしれません。実は、自分の所属クラスより上のレースに出ることは可能なのです。これを「格上挑戦(かくうえちょうせん)」といいます。

各レースでは、それぞれ出走できる最大の頭数が決まっています。そしてレースのなかには、出走を希望する馬が少なく、頭数に余裕のあるケースがあります。そんなときなら、格下クラスの馬でも出走が可能。所属クラスはあくまで出走順を決める目安で、出走希望馬に空きがあれば、1600万下の馬がオープンに出ることも可能なのです。

強豪揃うG2で、どんなレースを見せるのか

nikkei

久々のレースで「変身」なるか……(写真は別レースのもの)

スランプから復帰できるかという不安。一方で、重賞でどんなレースを見せるのかという期待。久々のレースが、こんな複雑な心境になるとは……。ちなみにシャドウダンサーは、2014年の5月に重賞レース(G2)への挑戦をしています。そのときは1番人気になり4着。そう考えれば、決して今回も無謀な挑戦とは言えません。

とにもかくにも、レースに集中して本気を出してくれれば。休み前に見せた大凡走だけは繰り返してほしくない……。そんな思いで見守った日経新春杯、レース映像をご覧ください!

日経新春杯のレース映像 (シャドウダンサーは青帽の4番)

うーん、やはり重賞の壁は厳しい……。スタートから先団を追走したシャドウダンサー。直線に入るまで騎手は手綱をがっしり抑えたまま。つまり、手応え十分で直線に入ったのですが、そこからなかなか伸びず……。ブービーの11着に敗れてしまいました。

ある程度覚悟はしていましたが、それでもつらい。重賞で歯が立たないというより、どうも全力を出していないようなもどかしさを感じます。かつての走りを考えれば、そして手応えを考えれば、直線でもう少し伸びてもいいはず。やはり、スランプから脱することは無理なのでしょうか。このレースでは、長期休養の成果が見られませんでした。

とはいえ、今回はあくまで格上挑戦。現状は力不足だったと納得することもできます。問題は次走。自分が所属する1600万下のレースに出たときです。もし、次のレースでも“兆し”が見えなければ……。本当に、本当に深刻になってしまいます。

そんななか、復帰2戦目はすぐにやってきました。2月21日のアメジストS(芝2000m/東京競馬場)です。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます