日本を代表する父を持つ3頭の挑戦

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1999年の凱旋門賞で2着となったエルコンドルパサー(写真 JRA)

「世界最高峰のレース」の一つとして、長きに渡り日本馬が挑戦してきたフランスの凱旋門賞(芝2400m、ロンシャン競馬場)。この大舞台で初めて優勝争いを演じた日本馬は、エルコンドルパサー。1999年のことでした。

凱旋門賞で2着と大健闘した日本馬エルコンドルパサーも、生まれたのはアメリカ。当時はまだ、外国で生まれ日本に輸入された「外国産馬」が強い時代であり、エルコンドルパサーもその一頭だったのです。

それから15年。日本の競走馬生産レベルは格段に上がり、内国産の馬たちがビッグレースの主役となりました。今年の凱旋門賞に挑む3頭も、すべて内国産馬。さらにいえば、父も日本で現役時代を送った馬たちです。

2014年の凱旋門賞に挑む日本馬は、ハープスター(牝3歳)、ジャスタウェイ(牡5歳)、ゴールドシップ(牡5歳)。いずれも、日本を代表する名馬です。そしてこの馬たちの父は、ディープインパクト(ハープスターの父)、ハーツクライ(ジャスタウェイの父)、ステイゴールド(ゴールドシップの父)。どの馬も日本で現役生活を送り、そして今では、後世に血を伝える種牡馬として、日本の競馬界を支える偉大な父たちです。

偶然にも、その偉大な父の血を色濃く受け継いだのが、2014年の凱旋門賞に臨む3頭。ということで、それぞれの父についても振り返りながら、日本馬3頭を紹介します。

父ディープインパクトと同様の後方一気
エリート街道を歩む「ハープスター」

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父をほうふつとさせる追い込みが武器のハープスター(写真 JRA)

レース序盤は後方に位置し、最後の直線で一気に他馬をゴボウ抜き。武豊騎手が「飛んでいる」と評したのが、生涯にG1を7勝したディープインパクトです。一時代を築いた競馬界の英雄は、父となっても優秀で、引退後は種牡馬として2012年からトップの座を独走しています。

ディープインパクトの成績-JRA

そのディープインパクトを父に持ち、まさに父譲りのスタイルを武器にするのがハープスター。昨年デビューしたばかりの彼女は、デビュー2戦目のG3新潟2歳S(芝1600m、新潟競馬場)で、驚愕のレースを披露。一躍、競馬界のヒロインとして注目を集めます。

2013新潟2歳Sのレース映像(ハープスターはピンク帽の17番)

その後はG1に3度挑戦して、1勝2着2回という成績。当時の期待を考えると少し物足りません。それでも、渡仏前に挑んだ8月のG2札幌記念(芝2000m、札幌競馬場)では、年上のゴールドシップを負かす強い内容。弾みをつけて、フランスへと向かいます。

2014札幌記念のレース映像(ハープスターは黄帽の8番)

父ディープインパクトも、2006年、大きな期待を背負って凱旋門賞に挑戦。現地では「ついに日本馬が凱旋門賞を勝つのか!」と騒がれました。しかし、結果は無念の3着。さらにその後、禁止薬物の発覚により失格処分となる後味の悪い結末が待っていました。

そのディープインパクトの娘が、同じ舞台に挑みます。もちろん戦法は、父と同じ後方一気。若き3歳牝馬の走りがどこまで通用するか。楽しみなところです。

次ページでは、ジャスタウェイとゴールドシップを紹介します。