猫は旅館によく似合う
旅館や温泉場での「猫」は実に生き生きとしています。狭い勝手口や細い路地をスルスルッとすり抜けながら我が物顔で行き交い、客人を遠目からジッと観察。反対に「犬」はリゾート地のホテルがお似合いですね。芝生の庭で駆け回り玄関での立ち姿も様になります。小柄な日本人が生活してきた温泉場や旅館は、犬にとっては窮屈なのかもしれません。
それに、吠えられたら困る密会の場面が多いのが旅館や温泉場。宿主にとっても猫の方が都合良いのかもしれません。
大手インターネットサイトで、猫と泊まれる宿を検索すると、旅館、ホテル、民宿、ペンションなど全ての形態を含めて約200軒出てきます。ここでいうのは、「飼い猫と一緒に泊まれる宿」。ここで、ご紹介するのは「猫とふれあえる宿」。トイレ周りの備品や猫用の食事が用意されているというわけではありませんのでご注意くださいね。そして、猫にふれあるだけではない満足できる宿です。
さあ、そんな“ねこ宿”ご案内しましょう。
名湯と温泉スイーツ ~大分県明礬温泉「岡本屋」~
温泉の湧出量が日本一の大分県別府。泉質が異なる8つの温泉が湧き「別府八湯」と呼ばれています。「岡本屋」がある明礬温泉は、わら葺きの湯の花小屋が立ち並び、昔の風情を残す温泉場。湯煙が立ちのぼる市街と別府湾を見下ろす山の中腹に立ち、客室は全部で16室。素晴らしいのは露天風呂。青磁色に白濁した美しい湯が滔々と注がれています。泉質は角質を柔らかくし、皮膚病に効くと言われる単純硫黄泉。肌触りも滑らかで何度でも入りたくなる温泉です。
湯上りは宿の名物「地獄蒸しプリン」をどうぞ。その滑らかな舌触りの秘密は、なんと温泉。噴気で蒸しているため、卵の風味も際立ちます。噴気中に含まれる硫黄成分が防腐効果も発揮するため無添加。全ては温泉のチカラ頼みなので数に限りがあるのも頷けます。宿の看板猫は少し恥ずかしがりや。気がつくと玄関辺りをウロウロしていますが、お部屋にお邪魔することは余り無いようです。猫が苦手な方がお泊りするときは、専用の部屋でジッとがまん。
極上の泉質に浸かり、スイーツでさらに満足できる温泉宿。猫好きな女友達と訪ねてほしい猫宿です。
■大分県 明礬温泉「岡本屋」
住所:別府市明礬4組
TEL:0977-66-3228
地図:Yahoo!地図情報
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