どんな人に向いてる?

「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に使う」というのが長期優良住宅の趣旨。「ストック社会に向けた住宅の長寿命化を」……と言われても、なんだか遠い世界の話でなかなか自分たちの生活に結び付けて理解しにくいのではないでしょうか? 様々な省エネルギー・エコ住宅施策の中でも、「長期優良住宅」は「劣化対策」「維持管理以下の点が他ではあまり強く問われていない点といえます。

劣化対策の意義

【定義】
構造躯体が少なくとも数世代すなわち100年程度継続使用するための措置。
【住宅性能評価】
等級3+α

【解説】
劣化対策

劣化対策は耐震対策の大前提にもなる

……といってもピンとなかなか来ないですよね。でも考えてみてください。阪神大震災や東日本大震災でも、津波の影響は別として、地震力による倒壊破損はその住宅の強さが影響しています。住宅の強さとは、言い換えてみれば「老朽化していないこと」「新築時の強さが保たれていること」。第一に、劣化対策は耐震対策ともなるのです。

第二に劣化対策は、自分たちの子どもや孫に引き継ぐ際の重要ポイントとなります。自分たちが老いて子どもに引き継ぐ20-30年後、劣化対策がしっかりしていなければ子どもたちはまた何十年もローンを組んで建替えなければなりません。現在の経済状態を予測するに、私たちの子どもの時代に経済が高度成長期のように復活しているとは思えません。むしろ国の借金を背負い大変な時代になっているでしょう。

アメリカ

アメリカでは開拓時代の住宅が希少価値として高額で売買されている

たとえば欧米とくにヨーロッパでは豊かなライフスタイルが印象的ですが、なぜサマーバケーションを2か月とったり、夫婦で育児休暇を数年とったりなどという豊かさが実現しているのでしょう? それは住宅を住み継ぐ文化があるからです。

たとえばスウェーデンでは親がマイホームを買ったら、子や孫が住み継ぎ、住宅ローンを負わない子はサマーハウスを、孫はヨットを買うといった豊かな世代継承をしています。「ローン返済に追われない今の豊かな生活は、おじいちゃん・おばあちゃんが残してく入れた資産があるから」という旧世代への感謝や畏敬の念も子どもたちには芽生えるでしょう。

第三に、劣化対策は自分たちの老後のリスクヘッジにもなってくれる可能性があるということです。これまでの右肩上がり経済では収入も上がっていき、退職金もしっかりもらえて、20-30年前に建てたマイホームローンを完済できるばかりか、まだ余る資金で家を再度建替えたり、古くなった部分を大々的にリフォームしたり、都市部のマンションに買い替えることも容易でした。

しかし、私たちの老後世代はそういう金銭的な豊かさは残念ながら予測できません。退職金はおろか、老後の生活費となる年金財政さえも危うい状態です。こうなると、劣化対策が不十分だと、いつ来るかもしれない大地震や災害におびえながら、老後20-30年を不安定な家で過ごしていかなくてはなりません。私たち自身の老後を守ってくれるのも、また劣化対策なのです。