試験勉強における実践への工夫が見られますが……

試験勉強

試験勉強に記憶術は使えるか?

ワタナベ式記憶法も多くの記憶術と同じく、イメージを活用するので、覚えたい項目をイメージに変換するのは必須です。

そしてそのイメージ変換の際のポイントが、「突飛な」イメージ、つまり非常識、非日常なイメージを描くこと。

これが「なんとも馬鹿らしい」と思えて、実行する人が少ないのですが、やってみるとそれがいかに強力なものかがわかるでしょう。

なお、このイメージと場所を使う記憶法は数十や百個程度の単語を記憶するのは簡単ですが、実際の試験勉強で実践活用しようとすると思うようにはなかなかいきません。

試験勉強で記憶する量は膨大だからです。

この点、「ワタナベ式記憶術」の5つの基本記憶術の一つ、鈴なり式記憶法は基礎結合法と連想結合法を組み合わせて教科書をまるごと記憶する方法で、体系的に大量の情報を記憶する工夫がされています。

本書には山手線を利用して憲法を覚える具体例も書いてあり、それを参考にかなり実践することはできるでしょう。

(とはいえ、これは記憶の前準備に手間がかかるため、私はこれをもっと簡略化し、勉強の初期段階で記憶術を活用することをお勧めしています。詳しくは拙著『「1分スピード記憶」勉強法』三笠書房刊をご覧ください)

 「10日で英単語1万語記憶」? 

そのほか「英単語を10日間で1万語覚える」として、接頭語を自分の好きな名前や知っている人の名前に変換して覚えるというユニークな方法が紹介されています。

たとえばcom(コン)のつくものは近藤さんに変換するというもので、combat(格闘する)であれば、「近藤くん、バット(bat)を持って格闘する」と覚えるわけです。

すべての英単語をこれで覚えるのは逆に手間がかかりますが、なかなか覚えられない単語はこれを利用して少しでも手がかりをつけるのは有効だと思います。

記憶術通信講座の宣伝本的な意味合いも強い本ですが、基本となる記憶術が体系的にまとまっており、試験勉強で実践するヒントも豊富に掲載されたお勧め本です。

ただし、「たった2か月で司法試験合格」は本書の記憶術を使っても今は不可能に近いのでその点はあらかじめ了解のうえ読んでみてください。

『一発逆転! ワタナベ式記憶術』(渡辺剛彰著 東京カルチャーセンター編 フローラル出版)


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