記憶術で成績トップを独走、そして2か月で司法試験合格
『一発逆転! ワタナベ式記憶術』
多くの記憶術本が出ていますが、この本の「たった2か月で司法試験に合格した」という強烈な実績を超えるものはないでしょう。本書の最初に書かれている著者の体験は記憶術に否が応でも興味をかきたてられる内容です。
中学校2年の1学期まで落ちこぼれだった著者の渡辺剛彰氏。父親から記憶術の伝授を受け、記憶術を活用していきなり学年トップに躍り出て、その後は中高ともトップの座を譲らなかったといいます。そして東京大学入学後、文学部だったにもかかわらず、弁護士だった父親にそそのかされるままに2か月で司法試験に合格したというのですから……。
驚きの記憶術も中身はきわめてオーソドックス
ただし、本書で紹介される記憶術の基本は古代ギリシアにはじまる記憶術そのままのオーソドックスなもの。つまり、場所とイメージを活用する方法です。参考→ 今すぐ使える記憶術―平成の総理大臣覚えてますか?
ここで本書で解説されている「ワタナベ式記憶術」を紹介しておきましょう。非常に体系的に原則・方法が整理されています。
「ワタナベ式記憶術」の3大原則
- 速く覚えるから忘れない
- 整然と覚えるから忘れない
- 楽しい連想で覚えるから忘れない
「ワタナベ式記憶術」の5つの基本記憶術
- 連想結合法:覚えたい二つ以上の事柄を「連想」でつなぎ、その順序通りに連想で記憶していく方法
- 変換記憶法:イメージしにくい事柄や抽象的な事柄、その他固有名詞、専門用語、外来語、数字などを具体的なわかりやすいモノに置き換えて記憶する方法
- 基礎結合法:自分の身近にある忘れないものを基礎にして、その基礎に覚えようとするモノを順序正しく結合して記憶する方法
- 数字変換法:数字をわかりやすいモノに変換して、それを「連想結合」として記憶する方法
- 鈴なり式記憶法:系統図や分類表ばかりでなく、事柄を系統的にまとめて記憶できる方法
これだけではどんな方法か具体的に想像するのは難しいかもしれませんが、とにかく、覚えたい項目をイメージに変換し、イメージ同士を連想でつないだり、すでに覚えている基礎に結びつけたりする方法です。
→ 「ワタナベ式記憶術」のほかの記憶術にない特徴は?