不動産は高価なものなので失敗できないですね!
試験の形式は50問の4肢択一のマークシート形式で、例年10月の第三日曜日に行われる試験に毎年20万人前後が受験する国家試験でも人気の高い資格試験です。
近年合格率は15%~18%程度となっており、合格点はここ10年、50問中32点~36点となっています。したがって何点取れば合格という試験ではなく問題が難しければ低くなりやりやすい問題の年は高くなるといった試験です。
宅地建物取引士の仕事
不動産業界と一言で言っても開発、分譲、流通、管理等業種が多数あり、仕事は様々ですが、宅地建物取引士しかできない仕事というものがあります。重要事項説明と重要事項説明書に記名押印及び契約書に記名押印することです。不動産という商品は非常に法律が絡む商品です。本来所有者になれば自由に利用できるのが原則ですが、色々な法律的な規制から土地を買っても自由に使えないことがあります。一例ですがカラオケボックスを建てようと土地を買ってもカラオケボックスを作れない土地もあります。
そのような法律的な説明(重要事項説明)をできる能力がある人でないと、しっかりとした説明が出来ません。
ですから宅建業者(いわゆる不動産屋さん)にはこの説明を契約前に必ず宅地建物取引士がする事を義務付けています。そして、その書面には取引士の印を必要としています。
この様に法律が絡む商品を扱う宅建業者は、その事務所の5人に1人以上の割合で、成年者である専任の取引士を設置しなければならないとされています。したがって、大きな宅建業者であればあるほど、多くの取引士が必要になります。
つまり、自ら宅建業を開業する場合はもちろん、宅建業者の免許を持つ企業(たとえば建設業者やマンションの管理業者や金融機関等でも宅建業の免許を受けていれば同様です)に就職や転職する場合にも、取引士資格は非常に有利です。
収入的なところは会社の方針やその人の営業成績によって全く違うので一概には言えませんが、資格を持っていると毎月資格手当で5千円から5万円程度(これも会社によって幅がありますが)付くところが多いです。ただし最近では宅建資格は持っているのが当たり前で、持っていないと昇進要件を満たさないとか、歩合率が下がると言ったところもあります。
個人的には不動産業界に身を置くならば、お金云々言う以前に不動産のプロとして持っているべき資格だと思います。
さらに宅建が有用なのは不動産業界だけではありません。
金融機関等は融資の際はやはり不動産の知識が必要な事から宅建取得を重視しておりますし、小売業や飲食業等が店舗を出して行くのに不動産の知識が必要になる等、不動産業界だけでなくニーズはあると言えるでしょう。言うまでもなく就職や転職の武器になります。
仕事に使うだけではない宅建試験の魅力
土地や建物は、非常に高価です。したがって、生じるトラブルも深刻なものとなります。トラブルにならないよう、自分自身が法律的な知識を持っていれば自分自身もためにもなりますし、身近にいる方に頼られる存在にもなります。たとえば、日当たりが良い快適なマンションを、手に入れたとしても、地域によっては、隣に大きなオフィスビルや工場が建ってしまう場合もあります。
あと誰にでも起こりうる相続等は宅建試験で勉強する範囲だけでも知っていると知らないとでは雲泥の差があります。さらに宅建試験で法律用語を勉強すれば不動産に限らず、契約書を理解しながら読めるようになるはずです。
今後生きていくうえで、騙されない自分になるためにも有益な勉強となるでしょう。
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