ノーベル賞を受賞したあの方も!
ノーベル賞学者が支援を求めたり、ごく普通の女性のアイディアが多くの人の共感を呼んだり、様々な人たちの夢を実現するクラウドファンディングには新しい可能性が秘められています
2012年には、京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が、寄付サイトジャスト・ギビング・ジャパンを通じて「3月11日の京都マラソンに出場し、完走するので寄付してほしい」と研究資金を呼びかけ、集めたことで注目もされました。目標の1000万円はノーベル賞受賞前に達成、受賞後は寄付を募っており、2013年1月末現在で2000万円を超える額が集まっています。
山中教授といえば2012年のノーベル医学・生理学賞も受賞するほどの世界的な研究者です、その行動に「いくら財政的に厳しいとはいえ、ここまでしないとならないのか!」といった驚きの声も聞かれました。
不況が長引き、企業の協賛や行政の助成金などを確保するのが、かつてに比べ、とても難しくなっています。一方ではこんな時代だからこそ、これまでにない新しいアイディアで世の中を良い方向にしたいと思う人も少なくありません。そういった人たちを支援したいと思う人だってたくさんいるはずです。
また、寄付や募金に協力しても「使途がよくわからない」という不満の声が後を絶たないのも現実です。使い道が明確である点もクラウドファンディングに注目が集まっている点だといえるでしょう。実際に、クラウドファンディングに資金提供する人には、リピーターがとても多いのだそう。
誰もがやりたいことにチャレンジできる
考えてみればサイトで知った企画やプロジェクトにわずかなお金でも協力しようと思うまでには、内容をじっくり読んだり、企画者の人となりを精査したりという過程を経て協力するわけですから、「スポンサー」という意識が生まれますよね。協力する企画が自分の仕事や趣味の延長にあるものであれば、さらに関心も深まりますし、ものごとを極めるヲタク的な視点で見守ることもできます。
お金を集めるだけではなく、たくさんの人とつながりながら、目標に向かっていく姿を応援していくのがクラウドファンディングの魅力。それがあるからこそ、格別の達成感が味うことができ、次の支援へのモチベーションにもなっているように思います。
さらに一方的に支援するだけではなく、誰でも支援を求めることができる点もクラウドファンディングの魅力の1つ。自分のしたいことを実現させるための資金が不足しているときには、そのプランを具体化し、サイトの審査に通れば、今度は自分が資金提供を募る側に回ることができるのです。
ノーベル賞学者であっても、会社員や主婦であっても、皆が水平な関係を築けるのがインターネットの魅力です。クラウドファンディングは、お金を今までにない形で循環させ、誰もがやりたいことにチャレンジできる仕組みを作る手法だといえますね。