定年・退職のお金/定年退職にまつわる各種制度

自己都合退職と会社都合退職の違いとは?(2ページ目)

自己都合退職は会社都合退職に比べ冷遇されている、と言われています。その違いを、退職金と雇用保険の基本手当についてご紹介します。また、不本意ながら自己都合退職扱いで退職した人には、基本手当の区分決定段階で敗者復活の可能性もあります。周到な準備で泣き寝入りはやめましょう。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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 基本手当の受給要件は?

失業したからといって、誰もが雇用保険の基本手当を受給できるわけではありません。基本手当は、次の2つの要件を満たす人に給付されます。
  • ハローワークで求職の申込みを行い、働く意思がありいつでも就職できる能力があるにもかかわらず失業状態にある
  • 離職の日以前2年間に、雇用保険の「被保険者期間」が通算して12ヵ月以上ある。ただし、「特定受給資格者」又は「特定理由離職者」については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上ある場合でも可

 自己都合退職でも特定受給資格者扱いに

雇用保険の基本手当は、離職理由や状況によって、次の3つに区分されます。
  •  特定受給資格者 :倒産や解雇等による離職者
  •  一般の離職者   :自己都合による離職者
  •  就職困難者    :身体障害者や知的障害者、精神障害者等により就職が困難な離職
どの区分になるかはハローワークが判断します。退職金では自己都合退職扱いでも、状況によっては特定受給資格者と判断されることもあります。例えば特定受給資格者と判断される退職には、解雇や倒産以外に
  • 採用条件と労働条件が事実と大きく違う
  • 退職勧奨に応じたが、自己都合退職扱いになった
  • 事業所が廃止された
  • 事業所が移転し通勤が困難になった
などがあります。また、一般の離職者でも退職理由が、例えば
  • 事業所の移転や結婚により通勤が困難になった
  • 転勤や出向による別居を避けるため
  • 鉄道やバスなどの交通機関の運行時間の変更により通勤が困難になった
など「辞めざるを得ない理由」と判断されると、特定理由離職者として基本手当の給付について優遇措置を受けることができる可能性があります。

ハローワークに特定受給資格者や特定理由離職者と判断してもらうには、それなりの客観的な事実を証明する必要があります。不本意な自己都合退職に追い込まれそうな場合は、周到な準備を心がけましょう。特定受給資格者と特定理由離職者の範囲はこちらで確認してください。

>>次のページでは、基本手当の給付開始日と日数についてご紹介します。

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