ベルギー/ブリュッセル

ブリュッセルのエリアガイド

歴史を刻む古都の顔、国際機関が集う欧州の中心の顔、王宮もある貴族的な顔、移民の多い下町の顔……。地区ごとに多様な顔も持つ首都ブリュッセルを7つのエリアにわけてご紹介。町の全体像が把握できますよ。

執筆者:林 瑞絵

早分かり! ブリュッセルのエリアガイド

バンド•デシネ(漫画)の町ブリュッセルでは、あちこちに人気キャラクターの壁画が ©BITC-O.van de Kerchove

バンド•デシネ(漫画)の町ブリュッセルでは、あちこちに人気キャラクターの壁画が ©BITC-O.van de Kerchove

食通ならばワッフル、チョコレート、ビール、ムール貝に目を輝かせ、星つきレストランで舌鼓。政治に興味がある人は重要な国際機関本部が集まる「欧州の首都」の顔に身も引き締まり、ファッション好きならば才能溢れるクリエイターたちの仕事に刺激を受けるブリュッセル。芸術愛好家ならば町に点在するアールヌーヴォー建築に心が動かされてしまうでしょう。

そして歴史的建造物を仰いで石畳を歩く誰もが、古都の面影をそこかしこに見いだし、中世に想いを馳せてしまうのです。

さあ、ベルギーのヒーロー「タンタン」に負けない好奇心を道連れに、多様な魅力を秘めた首都ブリュッセルを存分に遊び尽くしてみませんか。今回は初心者のために、真っ先に訪れてほしいエリアを7つに絞ってご紹介します。

ブリュッセル観光はここからはじまる
グラン•プラスエリア

世界遺産に指定される大広場グラン•プラス上空 © Yann Arthus Bertrand 

世界遺産に指定される大広場グラン•プラス上空 © Yann Arthus Bertrand

夜はイルミネーションで美しい大広場「グラン•プラス」

夜はイルミネーションで美しい大広場「グラン•プラス」

ジャン•コクトーに「西欧で最も美しい劇場」と言わしめたのが石畳の大広場「グラン•プラス」。大天使ミカエルが塔の頂きから見守る市庁舎、17世紀のギルドハウス、ゴシック様式の市立博物館など、見逃せない建築文化財が渾然一体となり、中世の趣を今に伝えます。この世界遺産に指定される長方形の大広場からブリュッセル観光はスタート。日中は名物の花市が可愛らしく広場を彩り、夜はイルミネーションで建造物が闇にきらびやかに浮かび上がります。

 

欧州で最も古いパサージュのひとつ「ギャルリー•サンテュベール」

欧州で最も古いパサージュのひとつ「ギャルリー•サンテュベール」

ここから徒歩圏の周辺エリアには、頻繁に洋服が変わるのが楽しい「小便小僧」の像や、ガラス張りの屋根が壮麗なパッサージュ(アーケード街)「ギャルリー•サンテュベール」など有名観光スポットが凝縮。ギャルリー内は、一口サイズのチョコレート「プラリネ」を最初に造った王室御用達ショコラティエ「ノイハウス」の本店をはじめ、レース、革製品、宝石といったベルギー名産品を販売する由緒正しい高級ブティックが軒を連ねます。

 

小便小僧もファッションリーダー? © BITC - J.L. Vandewiele

小便小僧もファッションリーダー? © BITC - J.L. Vandewiele

このエリアは観光客が多いため全体的な値段設定がやや高め。「食い倒れ横町」として知られるブシェ通りを含むいわゆる「イロ•サクレ地区」は、観光客目当てのレストランによる強引な勧誘行為もあり注意が必要です。一方、小便小僧の像がある「サン•ジャック地区」は、近年同性愛者歓迎のカフェ&バーが集まるゲイ•フレンドリーなエリアとして、国内外から熱い注目を集めています。 
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