気になる審査内容は?
壮行会にて、ソムリエ協会会長の岡氏とともに
審査委員かつ出題者でもある田崎真也氏によれば「より厳正かつフェアな出題にするため、内容詳細はまだ決定されていません。技術委員長のセルジュ・デュプス氏を含めブラインドテイスティングのワインもファイナリストが決定したあとにみなでテイスティングしてから決めるのです」とのこと。この言葉を聞いただけでもきわめて厳粛なコンクールであることがうかがえ、出場者でもないのにドキドキしてくる。
また、世界遺産にも認定されようとしてる注目の日本食や國酒となった日本酒・焼酎についても、各出場選手はそうとうに勉強をしてくるだろうと思われる。どうやら日本大会の面白さはその部分にもありそうだ。ただ、「日本人である森選手にとって優位になる出題はされない」とも田崎氏は付け加えた。あくまで公平性を重視し、いかにサービス人としての本質を問われるコンクールであるかがわかる。
1995年当時の田崎氏優勝はワインブームの火付け役となったが、今回もし森選手が優勝したら日本におけるワイン市場にはどのような影響があるかをきいてみた。
「昔のような一過性のワインブームにはもうならないでしょう。しかし、日本のワイン、日本酒・焼酎、日本食を含めた、日本の食文化全体が世界発信できる契機になり、ポジティブな意味でのTPPへの影響を考えられます」とグローバルな視野で語る。
森選手ってどんな人?
壮行会にて大会の概要を語る田崎氏は世界ソムリエ協会会長の職にある
「いまは知識の整理をしている状態。チリ大会2位のパオロ・バッソ(スイス代表)、3位のデヴィッド・ビヨー(フランス代表)らもかなり頑張ってくるはず。彼らを意識しながら戦います。当日は普段通り冷静になればいけると思っています。笑顔を忘れないスピーディで心地よいサービスを心がけます。見守ってください。」と語る。キラキラ輝く目がとても印象的だ。
森選手の裏話を少々。
実は10年以上前から面識のある森選手。思わず森君と呼んでしまういわゆる飲み仲間だ。今回久しぶりに会って、引き締まった表情に驚いた。まるで戦場に赴く若武者といった風情。とはいえ彼は常に明るく爽やかな好青年。酔って乱れたこともない。若手ソムリエ仲間で山形タケダワイナリーに遊びに行った時も、ちゃんとお礼のお手紙を送ったのは彼だけだった。礼儀正しさも魅力の一つ。そのうえ仲間の誕生日にはサプライズを用意する茶目っ気もある。同業の奥様と1歳の女の子の父。心より健闘を祈っている。