11月の祝日・イベントカレンダー
11月下旬には、日照時間の短くなってきた街にクリスマスイルミネーションが点灯を始め、早くも聖夜を待ちわびるモードに。ライトアップは驚くほど地味で控えめだが、返って平穏なムードを演出していると言えるかも
11月の第一日曜日は、Pyhäinpäivä(諸聖人の日)というキリスト祭日のため、お店や施設は一斉休業。
それ以外は平常通りの日々が続く11月ですが、この頃はどんどん日照時間も短くなり、寒さが増してくるので、フィンランド人は身も心も内向きになりがちです。10月末のハロウィンは、他の欧米諸国に比べてだいぶ関心の薄いフィンランド人ですが、11月に入るとすぐに、沈みがちな気分を盛り上げる意味でも一足早くクリスマス準備を始めます。
また、第2週目の日曜日はフィンランドの父の日(母の日は日本と同じ5月第2週目の日曜日)。お店などが休業することは稀ですが、フィンランド人は親元離れた子供たちも積極的に帰省し、朝から父親孝行に努めるのが良き慣習です。
パレードでサンタさんが登場すると、子どもたちの大歓声があがる
12月の祝日・イベントカレンダー
独立記念日の日中は、各自治体によって街のホールや体育館でセレモニーが開かれる
各自治体によって午後に開催されるセレモニー自体に参列することは難しいですが、例えばオーケストラや合唱団によるおおやけの記念演奏会は、チケットさえ入手すれば聴くことが可能。フィンランド第二の国歌とまで言われるシベリウス作曲の『フィンランディア』や、最後に全員起立して熱唱される国歌には、思わず胸が熱くなります。
また夜には、窓辺に青と白のツートンカラーのキャンドルを2本灯し、大統領官邸で行われる艶やかな晩餐会の生中継を自宅テレビで鑑賞するのが市民の典型的な過ごし方。この日は無理に外出をせず、まだ若干100歳足らずの若き国の歴史に思いを馳せながらテレビをつけ、穏やかに過ごすのも良いかもしれません。
クリスマスシーズンの街のようす
12月には屋内外あちこちで、楽しいクリスマスマーケットが開かれる。プレゼントやお土産にもぴったりなぬくもりある手工芸品や、クリスマスシーズンならでの食べ物・飲み物など、一度立ち寄るとなかなか抜け出せられない魅力にあふれている
12月に入るとまもなく、街のさまざまな場所でクリスマスマーケットがオープンし、一気にムードが高まります。屋台に並ぶのは、手編みの靴下や帽子など冬のプレゼントにぴったりな手工芸品から、ツリーや窓辺に飾るオーナメント、デザイン性の高い小物やインテリアグッズ、ポストカードなど。どれも観光者のおみやげとしてもぴったりな素敵なものばかり!
シナモンの香るグロギとクリスマスタルトは、12月のフィンランドの休息タイムに欠かせない組み合わせ
聖夜を演出するのは特設されたクリスマスマーケットだけでなく、例えば通常のマーケットでは、各家庭に飾るための本物の樅の木が売られていたりと、びっくりするような光景も。街のさまざまなシーンから、フィンランド人が年間を通してもっとも大切に過ごそうとするクリスマスシーズンの雰囲気を感じ取ってもらえたらと思います。
フィンランドのクリスマス休暇
家族や親戚が一堂に会して、何品もの伝統的なごちそうを囲み、和やかなひと時を過ごすクリスマスは、どこか日本のお正月に似た雰囲気も。イブに食べきれなかった料理をその後何日もかけて消費する習慣も、日本のおせち料理の発想に通じるところがある
現地の言葉でJoulu(ヨウル)と呼ばれるクリスマスシーズンのうち、あらゆるお店が閉まってしまう祝日は、24日から26日にかけて。とりわけ24日の午後から25日の午後にかけては、公共交通機関の運行も制限されて、街の機能がほとんど停止してしまいます。この間、フィンランド人たちは一斉に帰省してしまうので都会はしんと静まり返り、各列車では帰省ラッシュが続きます。フィンランド人にとって、クリスマスは家族や親戚とともに家の中でお祝いする大事なイベントなので、街全体が観光者そっちのけになってしまうこと、どうかご容赦ください。
イブの日、教会そばの墓地には人の想いの数だけキャンドルの明かりが灯る
24日の夜や25日の朝には多くの教会でミサが開かれており、誰もが参列することができます。教会そばの墓地にはたくさんの人がお墓参りに訪れるので、人々が灯していった無数のキャンドルの明かりが暖かく揺らめいています。クリスマス本来の意義や温かさが垣間見れる場所といえるでしょう。
クリスマスの夢から醒めて、街が平常通り機能し始めるのは27日ごろから。ただしそのまま、年始まで休暇をとってしまうお店や施設もあるので事前にご確認ください。また、クリスマスの終焉とともに、一斉に冬の大セールが始まるのでお見逃しなく!