ウォームアップとは……準備運動で体を温める理由と効果
冬の運動前にはウォームアップをしましょう
1)体温を上昇させる
運動をすることで体温や筋肉の温度(筋温)が上昇し、筋肉や腱などの柔軟性が高まります。またウォームアップによって関節のもつ可動域(関節の動く範囲)が大きくなり、より巧みな動きができるようになります。
2)メイン運動への適応性を高める
ウォームアップをせずにメインの運動やスポーツをおこなうと、心肺機能や筋肉などに大きな負荷がかかってしまいます。急に激しい運動をすると呼吸が乱れ、回復するのに時間がかかることも。また複雑な動きに対応できずにケガをすることも考えられるため、ケガ予防として準備する必要があります。
3)体だけではなく心理的な準備にもなる
ウォームアップを行うことで、やる気をコントロールするホルモンであるアドレナリンが体内に多く分泌され、中枢神経を刺激して運動に対する心理的な準備が整います。
ウォームアップは夏や冬など気温や天候に左右される
季節によって準備も変わる
夏の暑い時期であれば時間をかけなくても体は温まり、汗をかいて体温を下げようとします。あまりウォームアップに長時間かけてしまうとメインの運動を始める前に疲労してしまうこともありますので、軽いジョギングとストレッチを行い、体が温まったと感じたところでメインの運動を始めるようにします。ストレッチは立って動きながら行うダイナミックストレッチがオススメです(参考ページ:準備運動・基本のダイナミックストレッチ)。個人によっても時間は変わってきますが10分~15分程度を目安に動いてみましょう。
逆に冬の寒い時期は夏の時期と同じようにウォームアップを行っていると、なかなか体が温まらないと思います。寒い日のウォームアップでは保温機能のあるウォームジャケットなどを準備し、入念なジョギングを行います。そこからストレッチを行い、十分に体が温まったと感じたところでメインの運動を始めるようにします。時間の目安としては20分~30分ほどゆっくり時間をかけることが理想的です。
また季節だけではなく、天候(晴天、雨天など)や風の有無などによっても体感温度は変化するため、その状況に応じたウォームアップを行うことが大切です。
寒い冬だからこそ入念なウォームアップで体を温めて
生姜湯は体が温まる
寒い時期は体が温まりにくいため、入念なウォームアップが必要となります。どのようなことに気をつければよいでしょうか。
■ウエア
防寒着は風を通さないものを選ぶようにしましょう。風は1m強くなるごとに体感温度は1℃下がると言われており、10mの風が吹いているところでは体感温度は10℃下がってしまうことになります。体を温めて運動を行うためには、風の影響をなるべく受けないようにウォームアップジャケットなどを着用することが望ましいです。ただし体が温まりすぎて暑さを感じたときなどにすぐに脱ぐことができるよう、簡単に羽織れるウエアを選ぶようにしましょう。また「首」のつくところを外気に触れないようにすると寒さをしのぎやすくなります。すなわち「首」「手首」「足首」をネックウォーマー、手袋、レッグウォーマーなどで覆うようにすると、ウォームアップで発生した温かさが持続します。
■保温対策
カイロは寒い日の必需品ですが、運動前のウォームアップで効果的に使うことができます。オススメの使い方は首の後ろを温めること。ネックウォーマーがあれば首との間にはさんで使うと温かさを感じ、寒さに負けず体を動かすことができます。十分に体が温まったらカイロをはずしましょう。また足が冷たいと感じる人は、靴底に装着するタイプのカイロを使用すると足先の冷たさを軽減し、全身の血流改善に役立ちます。こちらも十分に体が温まったら、メインの運動中ははずしましょう。
■飲み物
運動前後や運動中の水分補給が重要なことは皆さんよくご存じだと思います。寒い時期はウォームアップ前に温かい飲み物を飲んでみましょう。オススメの飲み物は「しょうが紅茶」や「ホットココア」です。しょうがに含まれる「ジンゲロール」という成分や、ココアに含まれるカカオポリフェノールなどは体を温める効果が期待できるため、これらの飲み物を飲んでから体を動かすようにすると、驚くほど早く体が温まります。すりおろしたしょうがを準備するのがむずかしい場合は市販のしょうがチューブで代用することも可能です。寒い時期にスポーツをする場合、スキーやスノーボードなど冬のレジャーを楽しむときにも、あらかじめポットなどに温かい飲み物を準備しておくとよいでしょう。さらに運動時の水分補給には、温かい飲み物とは別にスポーツドリンクなどを準備すれば完璧です。
寒い時期のウォームアップは、車のエンジンがストップしないようにあらかじめエンジンを温めておくことと同じだと考えられます。気温が低いからこそ入念なウォームアップを行い、いつもの運動をケガなく楽しく行うようにしましょう。
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