DOMORI(ドモーリ)とは
イタリアのチョコレートブランド「ドモーリ」。ドモーリ社は1994年イタリアピエモンテ州トリノで創業し、個性的な味わいのチョコレートを作り続けています。創業者のジャンルーカ・フランゾーニは、世界中から最高品質のカカオ品種を自分の足で歩いて見つけ出し、そのカカオを自社農園などで栽培します。その後のカカオ豆の発酵、焙煎といった段階からチョコレートになるまでの全工程を自社で行う、チョコレートメーカーです。ドモーリ社ができたきっかけは、創業者のフランゾーニ氏が、ある時、全く別の仕事でべネズエラに住み、偶然繊細なアロマを持つ稀少なカカオに出会った事。彼は素晴らしいカカオが注目もされずに放置されている現状と、カカオに関わる人達の状況が理想的でない事を知り、カカオの研究に明け暮れます。カカオに深く魅了された彼は世界中を訪れ、ハイレベルなカカオを探し続けました。時には危険なアマゾンの原生林へと分け入り、絶滅寸前のクリオーロ種(世界の0.01%ともいわれるカカオの品種)の原種を採取。接ぎ木で何年もかけて再生復活させた事もあります。
フランゾーニ氏は今もベネズエラを訪れ、長期滞在し、カカオの味の良し悪しを決める重要な工程である発酵のジャッジなどを行うほか、上質なカカオの風味をキープするための技術にもこだわっています。近年、コンチング時間を最短の2時間に抑えられる独自のコンチングマシンを開発しました。
ドモーリのチョコレートの魅力
ドモーリのチョコレートの主役は、特定の産地、または単一品種で作られたチョコレート。つまりカカオ豆そのものの個性をストレートに味わえる、カカオが主役のチョコレートです。
クーベルチュール(製菓用)チョコレート、一般用のチョコレートがありますが、一般用のダークチョコレートの殆どは、原料がカカオ豆と砂糖だけ。カカオバターも豆に入っている以上は加えません。そのため味の差がはっきりと表れ、チョコレートの味わいの違いが明確です。カカオ豆ごとに違うチョコレートの味わいを、感じてみませんか? 数あるドモーリのチョコレートをわかりやすくシリーズごとにまとめますので、ドモーリ初心者の方も、チョコレート選びの参考にしていただければと思います。
1.「クリオーロ」シリーズ ~クリオーロ種のカカオだけを集めたコレクション
カカオの品種には、大きく分けて「クリオーロ種」「フォラステロ種」「トリニタリオ種」がありますが、中でもカカオ全体の0.01%といわれる優れた味わいの「クリオーロ種」を使ったシリーズです。クリオーロ種、と一口にいっても、さらに豆によって個性が変わります。フランゾーニ氏が厳選したクリオーロ種、それぞれの違いを楽しみましょう(プエルトマーレのみカカオ75%、他全てはカカオ70%)。<ラインナップ>
・「ポルセラーナ」(ドモーリが初めて手掛けた人気のクリオーロ種。濃厚で繊細)
・「カノアーボ」(ミルククリームのようにまろやかな味わい)
・「プエルトフィーノ」(酸味が少なく滑らか、樹木の香りが特徴的)
・「プエルトマーレ」」(バランスのよい甘さと滑らかさが魅力)
以上4種はドモーリが所有するヴェネズエラのサンホセ農園で栽培されています。
・「チュアオ」(ヴェネズエラ・チュアオ村産 やさしい甘みと滑らかさ)
・「ジャヴァブロンド」(インドネシア産。燻製の香りが個性的)
(合計6種類)
個性的な味わいの上記のチョコレート6種に加え、2012年1月には新作「グアサーレ」が登場しました。(新作「グアサーレ」については「大人の男性にあげたいタブレット5」でご紹介しています)
タブレットだけでなく、キャレ(小さな正方形のチョコレート)が6種揃ったセットBOXもあります。こちらはテイスティングにぴったり。まずはこちらから試すのもお薦めです。
2.「シングルオリジナル」シリーズ~産地別カカオの味わいを楽しめるコレクション
こちらは「クリオーロ種」以外の、「トリニタリオ種」「フォラステロ種」「ナショナル種」のカカオを使ったチョコレートのシリーズ。単一地域、単一品種で作られているので、産地別・品種別カカオの味わいを楽しめます。(全てカカオ70%)このシリーズで嬉しいのは小さなキャレ(小さな正方形のチョコレート)がなんと、1枚ずつ個別販売されている事!(1枚50円です。※2013年1月現在)気軽に食べ比べができますね。 <ラインナップ>
・ペルー産「アプリマック」(トリニタリオ種)
・コロンビア産「テユーナ」(トリニタリオ種)
・エクアドル産「アッリーバ」(ナショナル種)
・ヴェネズエラ産「スール・デル・ラーゴ」(トリニタリオ種とクリオロ種の交配種)、「リオカリーベ」(トリニタリオ種)、「サンビラーノ」(クリオーロ種遺伝子を多く含むトリニタリオ種)
(合計6種)
このシリーズの中で、パティシエ、ショコラティエに人気が高いのが「サンビラーノ」。赤いベリーのような個性的な酸味が特徴です。
3.「IL(イル)」シリーズ ~ ドモーリのブレンドチョコレート
単一品種、産地別だけでなく、ドモーリにはカカオ豆を数種類をブレンドしたシリーズも存在します(コーヒーに例えればブレンドコーヒーのようなイメージ)。注目したいのは砂糖を入れず、100%カカオで作った2種類のチョコレートです。<ラインナップ>
・砂糖を不使用の「イル100%」
・砂糖を使用したカカオ70%の「イルブレンド」
・クリオーロ種のカカオのみをブレンドした砂糖不使用の「クリオロ100%」
(合計3種類)
カカオ100%、ということは全く甘くないのです。みなさん、こういったチョコレートを味わったことはおありですか?
初めての方にお薦めするとしたら「クリオロ100%」。砂糖は入っていないので、甘さはないものの、注意深く味わうと、仄かにカカオ由来甘さが感じられ、比較的食べやすいと思います。