引き締まった乗り味
走りはトゥーランらしく、適度な軽快さとともに正確なハンドリングを味わえるが、タイヤサイズがフロント215/50R17、リヤ235/45R17と1インチアップしているため、乗り心地は16インチの標準車よりも引き締まっている。舗装状態の良好な路面で乗り心地がいいのは当然だが、凹凸が続くと大きなシューズを履いているなという、大きめの入力を感じさせるものだ。しかし、ボディが無用に揺すられるようなことはないから、各人に好みはあるだろうが、ファミリーミニバンとして十分に許容範囲に収まっている。
パワートレーンは、ベース車同様に1.4LのTSIと7速DSGを組み合わせる。DSGならではのダイレクト感のあるシフトフィールと排気量以上の加速が魅力だが、極低速域でのDSGのマナーは以前よりも格段に改善されているとはいえ、ATやCVTからの乗り替えだと若干の慣れが必要だ。
また、10mmの車高アップなので悪路走破性が劇的に高まったわけではないが、それでも街中で段差を越える際や雪道などでより走りやすくなるのは、ひとつの魅力といえるだろう。
コストパフォーマンスの高さも魅力
注目の価格は348万円と、「Golf Touran TSI Highline」よりも9万円割高だが、先述した専用エクステリア、ETC付きのiPhoneアプリ対応ナビ、見た目がグッとスポーティな17インチ専用アルミホイール&タイヤで十分過ぎるほど元は取れている。
もし、ゴルフトゥーランの使い勝手の良さが享受できれば十分なら294万円の「Golf Touran TSI Comfortline」でも満足度は高いだろうし、「Highline」を考えていたのなら「Cross Touran」は見逃す手はないだろう。